「完成度は低くていいから完成させてみな」所ジョージさんの金言

「コンテンツは60%の出来で本番アップしろ」。
かつて私は、ブログの中でそんな持論を書いたことがあります。
とにかく世に出すスピードが大事だ、と。

しかし、そう書きながらも、心のどこかで「本当にそれでいいのか?」という、プロとしての迷いが消えなかったのも事実です。

そんな時、あるネット記事で所ジョージさんのインタビューを読み、私は改めて腑に落ちる感覚を覚えました。

「完成度は低くていいから完成させてみな」

この言葉は、単なる手抜きのすすめではありません。
長年、放送業界の第一線で「完成」を義務づけられてきた所さんという本物のプロが放つからこそ、重みを持って胸に残ったのです。

60%へのブレーキ

私たちは頭では「スピードが大事」と分かっていながら、いざ公開となると、見えないブレーキを踏んでしまいます。
それは「未完成な自分を評価されること」への恐怖です。

だからこそ、所さんのこの一言は、単なる精神論ではなく、長年の現場で鍛えられた「プロの生存戦略」として響きます。

所ジョージさんが教える「完成させるコツ」

所さんは、不出来でもいいからゴールテープを切ることを繰り返すべきだと説いています。
そのプロセスは、次の3つの段階に集約されます。

(1)どんなに不出来でもレベルが低くても「完成させる」というゴールを切る

(2)ゴールテープを切る経験を重ねていくと「完成させるコツ」を覚えてくる

(3)そうすると「完成させる感性」も身についてくる

それぞれの言葉の意味を、私なりに深掘りしてみます。

(1)どんなに不出来でもレベルが低くても「完成させる」というゴールを切る

まずは「質」を度外視してでも終わらせること。
不格好でも、穴だらけでもいい。
とにかく「最後までやり切った」という事実を、自分に突きつけることがすべてのスタートです。

世に出さない100点よりも、世に出した10点のほうが、表現としての価値は計り知れないほど大きいのです。

(2)ゴールテープを切る経験を重ねていくと「完成させるコツ」を覚えてくる

何度も完走を繰り返すうちに、どこで力を抜き、どこを抑えれば形になるのか。
自分なりの「勘所」が分かってきます。

例えば、私が番組制作の現場で「最低限これだけ通れば走り出せる」と決めていた、構成の骨格。
テーマ、必然性、裏付け、展開、着地点。

こうした「最小限の構造」を見出す技術こそが、完成させるコツの正体です。

(3)そうすると「完成させる感性」も身についてくる

コツを掴んだ先には、今のベストを迷わず形にする「プロの感性」が宿ります。

文章を美しく整えるという表面的な作業よりも大切な、
「熱量」や「タイミング」を逃さない判断。

この野生的な勘は、机の前で悩んでいるだけでは一生手に入りません。

なぜ「完成」が脳と心をブーストさせるのか

なぜ、不出来でも「完成」させることがこれほど重要なのか。
そこには、心理学や脳科学的なメカニズムが深く関わっています。

1. 脳のメモリを解放する「ツァイガルニク効果」

完了したタスクよりも「未完了のタスク」のほうが、脳に負担をかけ続ける。
これを心理学では「ツァイガルニク効果」と呼びます。

書きかけの記事を抱えたままにすることは、パソコンのバックグラウンドで重いアプリが動き続けているのと同じです。

不格好でも「完成」の判を押すことは、脳のメモリをクリーンアップし、次の創造性を引き出すための儀式なのです。

2. 「報酬系」による学習サイクルの確立

脳は「達成感」を感じたときにドーパミンを放出します。
このドーパミンが、次の行動への意欲と学習を加速させます。

60点でも「完成させた」という報酬を回すことで、脳は成長モードに入ります。

3. 完璧主義による「扁桃体」の暴走を抑える

失敗への恐怖は、脳にとって「命の危険」と同じです。
だから私たちは、完璧になるまで動けなくなります。

「低くていいから完成させる」と決めることは、恐怖を鎮め、前頭葉を主役に戻す戦略です。

迷わず「完成」にフォーカスするための行動3選

1. 骨格5項目を埋める

テーマ・必然性・裏付け・展開・着地点。
まずは文章の「肉」ではなく、この5つの「骨」だけを箇条書きで埋めます。
言い回しや表現の巧さは不要で、「何をどう終わらせるか」だけを決める作業です。
この時点でコンテンツは設計として完成しており、あとは肉付けをするだけになります。
完璧主義で手が止まる前に、ゴールと構造を先に確定させるための方法です。

2. 制限時間で強制終了する

25分、40分など時間を先に決め、タイマーが鳴ったらその時点で一度区切ります。
「もっと良くできるかも」という無限ループを断ち切り、脳を「終わらせるモード」に切り替えるためです。
ラジオの生放送のように、時間が来れば始まる環境を作ることで、
脳は「完璧」ではなく「間に合う最善」を探し始めます。

3. 沈黙を最大の失敗と定義する

拙いものを出すことよりも、発信が止まって沈黙が続くことの方がはるかに大きな損失です。
プロの現場で最も恐れられるのは、ミスではなく「無音」です。
この優先順位を自分の中に設定することで、60点での公開が合理的な選択になります。
完成度よりも「出し続けること」を最上位に置くための、思考のスイッチです。

結論:積み重ねが「プロの感性」を育てる

100点の未完成より、60点の完成。

私は今日、自分自身のディレクターとして、この記事に「完成」のキューを振りました(恥)。

この記事も、ここで完成にします。

この記事を書いた人|ミライジュウ

メディア関連企業の業務部長。ラジオ演出30年の経験を経て、
「50代からでも“1円を生む力”は育てられる」と信じて発信中。
毎朝4時起きでランニング・筋トレ継続中。
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