「今日もブログが書けなかった……」
深夜、重い体でベッドに潜り込みながら、自分を責める。そんな夜を何度繰り返したでしょうか。「明日は仕事が早く終わるはずだから」「週末にまとめて書けばいい」。そうやって自分に言い訳をしながら、気がつけばブログの更新が止まり、いつの間にか管理画面を開くことすら怖くなってしまう。
多くの副業ブロガーが通る道です。そして、その挫折の理由として最も多く語られるのが「時間がない」という言葉です。
しかし、あえて厳しい現実をお伝えします。ブログが継続できないのは、物理的な時間が足りないせいではありません。本当の原因は、あなたの中にある「優先順位の管理」に失敗していることにあります。
今回は、なぜ私たちの脳はブログを後回しにしてしまうのか、そして「プロではない私たち」がどうすれば「やり抜く力」を手にできるのか、脳科学と心理学の視点から徹底的に解説します。
「時間がない」という嘘を、脳がつき続ける理由
ブログは副業として非常に敷居が低いビジネスです。コストはほとんどかからず、専門的な資格もいりません。初心者でも小さな金額であれば、コツコツ続ければ稼げるようになります。
それなのに、なぜ約半数の人が3ヶ月で姿を消してしまうのか。それは、ブログが今の生活において「なくても困らないもの」だからです。
もし、あなたが今ブログを辞めても、明日食べるものに困ることはありません。本業の給料があり、住む場所があり、最低限の生活が保障されています。この「安心感」が、皮肉にも継続の敵となります。
「もし、今日ブログを書かなければ、明日100万円を失う」
「今日更新しなければ、大切な家族に会えなくなる」
そんな極限状態であれば、どんなに仕事が忙しくても、睡眠時間を削ってでも、あなたは15分を捻出して記事を書くはずです。つまり、あなたが「時間がない」と言っているのは、物理的な24時間の不足ではなく、自分の中での「ブログの重要度」が低いことを指しているのです。
脳は、生存に関わらない「新しい挑戦」を、エネルギーを浪費する「面倒なこと」として認識し、無意識のうちに優先順位の最下位へ押しやります。そして、それを正当化するために「時間がない」という、誰もが納得しそうな優しい嘘をあなたに信じ込ませるのです。
脳科学で解明:なぜ「夜のやる気」は信じられないのか
「明日こそは早く帰ってブログを書こう」
そう誓ったはずなのに、帰宅して夕食を食べ、ソファに座った瞬間にやる気が霧散してしまう。この現象は、あなたの根性が足りないからではなく、脳のエネルギー消費の仕組み――「ウィルパワー(意志力)」の枯渇が原因です。
私たちの脳(特に前頭前野)は、物事を判断したり、誘惑に勝ったり、難しい作業に取り組んだりするたびにエネルギーを消費します。これがウィルパワーです。
このエネルギーは朝起きたときが最大(フル充電)で、仕事でメールを返し、会議で発言し、昼食の献立を決め、人間関係に気を遣うたびに、スマホのバッテリーのように減っていきます。
プロのライターであれば、執筆が「習慣」になっているため、エネルギー消費を抑えて書くことができます。しかし、まだ執筆が習慣化されていない「プロではない私たち」にとって、ブログは大量のウィルパワーを必要とする「重い作業」です。
本業でクタクタになり、バッテリー残量が1%しかない夜に、この重い作業に取り組もうとするのは、いわばガス欠の車で坂道を登ろうとするようなもの。脳が「今は休ませてくれ!」と拒絶反応を起こすのは、生理学的に極めて正常な反応なのです。
優先順位を「天引き」する戦略:朝の1時間の価値
では、プロではない私たちが優先順位を守るにはどうすればいいのか。答えはシンプルです。「脳のバッテリーが満タンな朝一番に、重要事項を終わらせる」。これを「優先順位の天引き」と呼びます。
貯金が上手な人は、給料が入った瞬間に「貯金額」を先に引きます。残ったお金で生活するから、確実にお金が貯まるのです。
時間も全く同じです。「時間が余ったらブログを書こう」という発想は、貯金できない人が「お金が余ったら貯金しよう」と言うのと同じで、永遠に実現しません。
朝、誰にも邪魔されない1時間をブログに当てる。この1時間は、メールも、電話も、急なトラブルも入ってきません。脳は最もクリアな状態で、集中力は最高潮にあります。ここでまず「ブログ」という最優先事項を終わらせてしまう。すると、その後の本業でどれだけ疲れ果てても、その日のあなたの人生において「最も重要な種まき」は既に完了していることになります。
この「先にやった」という達成感こそが、あなたの自己肯定感を高め、次の日の継続を支える精神的なガソリンになるのです。
「やり抜く力(GRIT)」:長期的視点という羅針盤
成功するブロガーと挫折するブロガーを分けるのは、才能の差ではなく「やり抜く力(GRIT)」の差です。心理学者アンジェラ・ダックワースが提唱したこの概念は、「情熱」と「粘り強さ」を組み合わせた力を指します。
多くの人が挫折するのは、ブログを「短期的な労働」と考えているからです。「1ヶ月頑張ったのに数百円しか稼げない。時給換算したらバカバカしい」と感じた瞬間に、優先順位は暴落します。
しかし、やり抜く力を持つ人は、ブログを「未来への仕送り」と考えています。今書いている記事は、3年後、5年後の自分に代わって24時間働き続けてくれる資産です。勉強や人脈作りと同じく、今は成果が出なくても、将来的に大きな恩恵が得られる「緊急ではないが重要なこと」に投資している自覚があるのです。
今の生活を変えたいのであれば、今の生活の中だけでやりくりしてはいけません。未来の自分が「あの時、優先順位を入れ替えてくれてありがとう」と言ってくれるような、長期的な視点での選択を積み重ねる必要があります。
【最終手段】どうしても動けない時の「タイニー・ハビット」
優先順位の重要性は分かった。朝の天引きも理解した。それでも、どうしても体が重い日、心が折れそうな日は必ずやってきます。そんなとき、私たちは自分を責め、「やっぱり自分には無理なんだ」と挫折の物語を完結させてしまいがちです。
ここで登場するのが、BJフォッグ博士が提唱する「タイニー・ハビット(小さな習慣)」です。これは、意志力がゼロの時でも「継続」という記録を途切らせないための、いわばセーフティネットです。
脳は変化を嫌いますが、あまりに小さな変化には気づかず、抵抗もしません。「1記事書く」という目標は巨大な岩のように見えますが、「パソコンの蓋を開ける」という動作なら、指一本動かすだけで済みます。
- きっかけ(アンカー): 朝、コーヒーを一口飲んだら
- 極小の行動: パソコンを開いて、1文字(「あ」でもいい)打つ
- お祝い: 1文字打ったら「よし!今日も継続したぞ」と自分を褒める
「そんなのバカバカしい」と思うかもしれません。しかし、ブログにおいて最も難しいのは「書き始めること」です。1文字書けば、脳には「作業興奮」というスイッチが入り、結果として「もう少しだけ書くか」というモードに切り替わります。
もし本当に1文字で終わったとしても、その日のあなたは「やらない」という選択肢を選ばなかった。優先順位1位のブログに触れた。その事実が、あなたの「やり抜く力」を細い糸のように繋ぎ止めてくれるのです。
結論:優先順位があなたの人生を決定する
「時間がない」という言葉は、私たちの挑戦を止める最強のブレーキです。しかし、そのブレーキを外せるのもまた、自分自身しかいません。
ブログは、単なるお金稼ぎの手段ではありません。それは、日々の忙しさに流されるだけの人生から、自分の手で未来をコントロールしようとする「意志の表明」です。
- 「時間がない」という言い訳を卒業する。
- 脳の最も元気な「朝」に、重要事項を天引きする。
- 長期的リターンを信じ、未来の自分に投資する。
- どうしてもダメな日は、タイニー・ハビット(1文字)で繋ぐ。
今日、あなたが優先順位を1つ入れ替えるだけで、数年後の景色は必ず変わっています。完璧である必要はありません。プロではない私たちは、泥臭く、賢く、脳を味方につけて進んでいけばいいのです。
さあ、明日の朝。誰よりも先に、あなたの未来のための「1文字」から始めてみませんか?

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