はじめに
「年収も悪くなかったし、退職金も出た。だから老後は安泰だろう」。
そう信じていたのに、定年を間近にお金の不安がじわじわと湧いてくる――。
これは実は、多くの人が抱える現実です。会社員時代にしっかり稼いでいたにもかかわらず、老後貧乏に陥ってしまうケースは少なくありません。
「何がいけなかったのか?」と悩んでも、時すでに遅し。今回は、そんな老後の落とし穴を避けるために、実際の失敗談や背景を交えながら、7つの特徴を掘り下げていきます。
そして、「どうすれば防げるのか?」についても、具体的に考えていきましょう。
目次
- 生活レベルが高止まりしてしまう人
- 退職金を“夢の実現”に全部使った人
- 年金が少なくて愕然とする人
- 資産運用を「怖い」と避け続けた人
- 副収入を「面倒」と後回しにした人
- 健康を軽視して、医療費で苦しむ人
- ライフプランを「立てなかった」人
- まとめ|「稼いでいたから大丈夫」は幻想
生活レベルが高止まりしてしまう人
現役時代、月収50万円以上の収入を得ていたAさん。週に数回の外食、年に一度の家族旅行。そんな生活を何年も続けてきたAさんにとって、それが「普通」になっていました。しかし、定年を迎え、収入が年金だけになった今も、その生活レベルは変わりません。当然、足りない分は貯金を切り崩すしかなく、老後資金は数年で底をつこうとしています。Aさんの心には「これまで頑張ってきたんだから、今さら生活レベルを落としたくない」というプライドが根深く残っていました。でも、プライドでは生活は守れません。「これからの自分」にふさわしい生活を見つめ直すことができなければ、老後貧乏への道は避けられないのです。
退職金を“夢の実現”に全部使った人
Bさんは、長年の夢だったヨーロッパ一周旅行に、退職金の半分を使いました。「今まで仕事ばかりだったから、退職後くらい好きに使ってもいいだろう」と考えた末の決断。旅行自体は素晴らしい体験でした。でも、帰国後に現実が襲ってきます。「このままじゃ生活がもたない…」。予想以上に長生きしそうな自分を前に、退職金の減り方に焦りが募る日々。「これまで頑張ったご褒美」として、散財してしまうのは誰にでもある心理です。しかし、老後はゴールの見えない長いマラソン。退職金は、「生活費」「医療費」「楽しみ」と分けて、自分で使う範囲のルールを作っておく。そうした冷静さが、後悔を防ぎます。
年金が少なくて愕然とする人
「年金で月20万円くらいは入るだろう」。Cさんは漠然とそう信じていました。ところが、実際に届いた通知を見て絶句。月15万円にも届かない金額だったのです。「え?これだけ?全然足りないじゃないか」。Cさんは、年金についての計算を一度もしたことがありませんでした。「なんとかなるだろう」という楽観が、現実と向き合うことを遠ざけていたのです。自分の年金額を早めに把握し、不足するならその準備をする。この当たり前のことを怠れば、老後になってから「想定外」の事態に慌てることになります。ねんきん定期便、ねんきんネット――使えるツールを活用し、現実と向き合う勇気を持つことが必要です。
資産運用を「怖い」と避け続けた人
「投資なんてギャンブルだから、手を出したくない」。Dさんはずっとそう言って、貯金だけを頼りにしてきました。しかし、インフレで物価が上がり、生活費は増えるばかり。一方で、銀行の預金金利は微々たるもの。「気がついたら、お金の価値が減っていた…」。そんなふうに後悔することに。リスクを避けることが安全と思っていたDさんは、逆に「リスクを避けすぎることのリスク」に気づけなかったのです。全てを投資に回す必要はありません。でも、つみたてNISAなど少額からの運用を学び、実践していくことは、資産を守る一つの方法です。少しずつ慣れていく、その姿勢が老後の安心につながります。
副収入を「面倒」と後回しにした人
「副業なんて面倒くさいし、定年後はのんびりしたい」。Eさんはそう考え、現役時代には副業には目もくれませんでした。けれど、いざ退職してみると、年金だけでは生活費が足りない。仕方なくシルバー人材センターで仕事を探したものの、条件が厳しく、思うようにはいきませんでした。「あの時、少しでも副収入を作っておけば…」。そんな後悔が頭をよぎります。副収入は、余裕のある時に準備するからこそ、選択肢が増えます。ブログ、ライティング、講師業――自分の経験を活かせる形で、小さく始めてみる。副収入は、未来の自分へのプレゼントです。
健康を軽視して、医療費で苦しむ人
Fさんは、自分は健康体だと信じて疑いませんでした。暴飲暴食も気にせず、運動もせず。ところが60歳を過ぎてから、糖尿病、高血圧、そして大きな手術。医療費が想定外にかかり、生活が苦しくなっていきました。「健康なら何とかなる」と思っていたその健康が、一番の不安材料になったのです。老後に必要なのは、お金だけではありません。健康を失えば、いくらお金があっても、自由に使うことはできない。だからこそ、日々の生活習慣を見直し、小さなことから始める。散歩、食事、睡眠――積み重ねることで、未来の負担は確実に減らせます。
ライフプランを「立てなかった」人
「計画なんて立てても、どうせその通りにならない」。Gさんは、ライフプランを一度も立てたことがありませんでした。結果、収入と支出のバランスは崩れ、お金の減り方に焦る毎日。「なんでこんなに減るんだ?」と、混乱するばかり。将来の見える化をしていなければ、何が問題かも見えてきません。気づいた時には、もう打てる手が少ない。だからこそ、キャッシュフロー表を作ってみることが大切です。面倒に思えるかもしれません。でも、未来の安心を手に入れるための第一歩。それは、あなた自身が踏み出すしかないのです。
まとめ|「稼いでいたから大丈夫」は幻想
老後貧乏になる人には、共通する「油断」があります。稼いでいたことに安心しすぎて、生活を見直さず、退職金に頼り、年金や健康、資産運用を軽視する。でも、それは今からでも変えられるんです。これまでの自分に誇りを持ちつつ、未来の自分に備える――。老後を豊かに生きるために、今日からの一歩を始めてみませんか?
この記事を書いた人|ミライジュウ
メディア関連企業の業務部長。ラジオ演出30年の経験を経て、
「50代からでも“1円を生む力”は育てられる」と信じて発信中。
毎朝4時起きでランニング・筋トレ継続中。
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