耳もデジタル化して記憶を制する|50代からでも習慣が続く「AI文字起こし」勉強法

50代になると、どうしても「昨日覚えたはずのことが、翌日には霧散している」という現象が増えてきます。年齢を重ねるほど、新しい知識が頭に入りにくくなるのは事実です。私もまさにその壁にぶつかってきた一人です。

しかし、ここで悲観しても意味がありません。50代には、若い頃にはなかった「経験値」と「テクノロジー」を掛け合わせるという強力な戦い方があるからです。

勉強は、机に座って気合で覚える時代から、「生活に溶け込ませて積み上げる時代」に変わりました。行動科学者BJフォッグ氏の『Tiny Habits(習慣超大全)』で語られているように、すでに定着している習慣に“そっと”新しい行動を足すだけで、勉強は驚くほど継続できるようになります。

私の場合、その習慣が「毎朝のランニング」です。走ることはもう何十年も続いている強固なルーティン。この既存の習慣に“学び”を乗せていくことで、50代の勉強は逆に面白く進化し始めました。

そこで今回の記事では、iPadやAIツール、ウェアラブル録音デバイス、NotebookLMなどを駆使しながら「耳をデジタル化」して記憶を圧倒的に定着させる方法をお話しします。50代の勉強がラクになり、むしろ“遊び”のように感じられるようになるはずです。

iPad勉強法の進化形:映像化された「絵コンテ」で記憶のフックを作る

前回の記事では、50代の勉強には「iPad×Goodnotes」が最強だ、という話をしました。書く手間はかかりますが、その行為自体が思考を整理してくれる。これは手書きの最大の利点です。

ただ、私はここからさらに一歩進めて「動画講義を“絵コンテ化”する」という方法を実践しています。

やり方はこうです。
講義動画の重要なスライドが出た瞬間にスクリーンショットを撮り、それをGoodnotesに貼り付ける。講師の音声が重要なら文字起こしテキストもコピーして貼る。そして、そこに自分の手書きメモを加えていく。

すると、ただのノートではなく「映像と文字と手書き」が交ざった“自分専用の絵コンテ”が出来上がります。

不思議なもので、画像が混ざると、記憶の残り方がまったく違います。「この図の横で自分がこんなメモを書いたな」という“エピソード記憶”と結びつくからです。

そしてこの絵コンテの真価は、iPhoneで見返すときに発揮されます。iCloudで同期されたノートを、通勤電車でパラパラとめくる。それだけで視覚的に思い出せる。50代にとって、これほど気楽で負担のない復習法はありません。

ランニング中が「勉強部屋」に変わる:耳のデジタル化がもたらす革命

ここからが本題です。私は長年、ランニング中にポッドキャストやオーディオブックを聞き流してきました。しかし問題はただひとつ。

走り終わると何も覚えていない。

感覚は残る。でも内容は抜け落ちる。これは50代あるあるです。

そこで出会ったのが、「ウェアラブルAIボイスレコーダー」というジャンルでした。薄いカード型の小さなデバイスで、スマホなしで長時間録音ができる。そして帰宅してスマホに近づけるだけで、AIが全文を文字起こしし、要約までしてくれる。

想像してほしいのは、「走っている1時間」がそのまま“テキストデータ”として残るということです。

ポッドキャストの内容はもちろん、自分で呟いたアイデアや気づきもすべて記録される。
走りながら「今の話って、こう応用できるな」と思った瞬間のつぶやきまで残る。

ランニング中の脳は、血流がよくて非常にクリエイティブです。これまで汗とともに消えていたアイデアが、全部文字になるわけです。これは明らかに新しい習慣の扉を開く道具だと感じています。


NotebookLMで「耳から入った情報」を一瞬で再構築する

録音→文字起こしが手に入ったら、次は「理解」へ落とし込む段階です。ここで活躍するのがGoogleの「NotebookLM」。

使い方は単純で、テキストやPDFを投げ込むだけ。するとAIが内容を理解し、図解・比較表・スライド構成案まで自動で作ってくれます。

たとえばこうです。

「このポッドキャストの内容を、初心者にも理解できるスライド構成にして」
「重要な論点を比較した表を作って」

以前なら2〜3時間かかった作業が、一瞬で形になる。

そして、その“AIが作った構造化情報”をGoodnotesに貼り付けて読めば、記憶への引っかかりが劇的に増えます。情報を「構造として」理解できるからです。

見え方を変えれば記憶が変わる:A3コピーの魔力

最新テクノロジーの話をしてきましたが、最後にものすごくアナログで、でも本質的な記憶法を紹介します。

お笑い芸人のサバンナ・八木さんがFP1級に合格したときの方法は、「テキストをA3印刷して眺める」ことでした。

老眼が進む50代は、小さな文字を読むだけでエネルギーを使う。これが理解の妨げになっている。しかし、A3に拡大すると「ただのテキスト」ではなく「景色」になります。

景色として捉えると、情報の配置も関係性も一瞬でわかる。iPadのピンチアウト拡大でもいいですが、紙で壁に貼るとさらに強烈です。

50代の勉強法は「五感」と「ストーリー化」で勝負が決まる

ここまでいろいろ紹介しましたが、50代の勉強法は結局これに尽きます。

五感を総動員し、最後にストーリーにまとめる。

視覚:iPadの絵コンテ、A3拡大
聴覚:ランニング中の音声+文字起こし
触覚:手書きメモ
思考:NotebookLMで構造化
記憶:頭の中で映像化(ストーリー化)

単語を覚えるときも、ただ暗記するのではなく“部屋の中の風景”としてイメージする。

重い扉を開けたら部屋の中に真っ赤なマグカップがあり、その湯気に覚えたい単語が浮かんでいる……という具合です。

AIはあくまで素材集め。最後の仕上げは、自分自身の“脳内監督”として、物語に落とし込む工程です。

私も近々、ウェアラブルAIレコーダーを導入して、ランニング時間を丸ごと「知的生産の時間」に変えていこうと思います。

50代の勉強は、苦行ではなく、ツールと工夫でいくらでも「知的な遊び」に変わります。あなたの勉強が、今日からまた一段階軽く、楽しくなることを願っています。

この記事を書いた人|ミライジュウ

メディア関連企業の業務部長。ラジオ演出30年の経験を経て、
「50代からでも“1円を生む力”は育てられる」と信じて発信中。
毎朝4時起きでランニング・筋トレ継続中。
▶︎ 運営者プロフィールはこちら

\ あわせて読みたい /

▶︎ 個人IPビジネスの始め方|「ネタがない・続かない・反応がない」を突破する3つの方法
▶︎ 伝わる文章の書き方2026|2年前にはいなかった相談相手
▶︎ 個人IPビジネスにチャレンジ!|経験・スキルを“知的財産”に変える方法

コメント