定年を前に感じる「静かな焦り」
定年が現実味を帯びてくると、多くの会社員が「会社の看板を外した自分に何が残るのか?」という不安に襲われます。SNSを開けば、20代や30代が「月収100万達成」「自由な働き方」と華やかに発信している。それを見て、「今さら最新ツールも使いこなせない自分が、彼らと競っても勝てるわけがない」と、コンテンツビジネスの世界を諦めてしまう人も少なくありません。
しかし、本当に私たちは「年金だけで細々と暮らす道」しかないのでしょうか?
実は、私たちが当たり前に積み上げてきた「会社員としての20〜30年」こそが、若手が決して持っていない、そして喉から手が出るほど欲しがる「最強の武器」になるのです。
木下社長が鳴らす警鐘の「中身」を読み解く
北の達人コーポレーション創業社長であり、数々のベストセラービジネス書でも知られる木下勝寿氏がSNSで発信した「若手フリーランスの危うさ」についての投稿が話題になっています。
木下社長は、若くして稼げる仕事には「若さそのものが価値」か「経験が関係ない」ものが多いと指摘します。
最大のリスクは、収入ではなく「一般的なビジネス常識が身につかないこと」にあります。
- 組織での意思決定の流れ
- 上司・顧客・取引先との力関係
- 営業、交渉、責任の所在
- 数字で評価される感覚
これらを経験しないまま年齢を重ねると、いざ就職しようとしても「専門性が中途半端で使いにくい」扱いになりやすいのが現実です。
木下社長は、キャリアを積むほど価値が上がるのは、経験の蓄積がそのまま価値になる「ホワイトカラーのビジネス職」であると説いています。
この言葉は、50代への『逆転の指針』です。私たちが積み上げた組織の実務経験こそが、コンテンツビジネスの差別化を決定づけます。
50代の「当たり前」は、市場の「希少価値」である
若手は「スキルの点(やり方)」を教えますが、私たちは「組織の線と面(動かし方)」を知っています。ここで、私が実務で導入した「仕組み化」の例を挙げます。
かつて、私の現場でも多くの組織がそうであるように、収支の管理は「Excelのバケツリレー」でした。経理からの依頼があるたびに、各部署からメールで送られてくるデータを手作業で集計する。ミスは起きるし、数字が揃った頃にはもう「過去の話」になっている。現場の「今」が見えない状況でした。
そこで私が導入したのは、ツールの改良ではなく「会議体と入力フローの設計」でした。
8つの部署がスプレッドシートに「同時入力」し、その瞬間に「年度着地」「着地予算差」「着地前年差」がすべて自動計算されるインフラを構築したのです。
単にシートを作っただけではありません。多忙な部長・副部長に対し、「着地の確度は現場にしかわからない」と説き、週一回の会議でこのシートを見ながら意思決定を行うルールを定着させました。
これは、木下社長の言う「組織での意思決定の流れ」や「数字で評価される感覚」を、実務レベルで組織のOSとして組み込む作業でした。
この「人を動かし、数字を経営の武器にする仕組み」こそが、勢いだけで拡大し、管理が追いつかなくなった若手経営者が、最も求めている知恵なのです。
コンテンツビジネスにおける「逆転の勝ち筋」
私たちが定年後の戦略として狙うべきは、若手と「集客力」で競うことではありません。彼らが欠落させている「事業の継続性」や「再現性」を補完する「軍師」のポジションです。
- 「稼ぎ方」ではなく「回し方」を売る:本人が動かなければ回らない「属人化」に悩む経営者に、組織設計の知恵を貸す。
- 「数字の解像度」を上げる:単なる売上ではなく、年度着地を外さないガバナンスの構築を支援する。
- 「信頼という単価」で勝負する:木下社長の指摘する「責任の所在」を明確にする姿勢そのものが、高単価なアドバイザリー契約に繋がります。
営業力のないフリーランスは安く使われる下請けになりますが、価値を自ら定義し、組織の課題を解決できる経験者は、対等なパートナーとして選ばれるのです。
看板を外した後に残る「本質的な価値」
木下社長は、「キャリアは、稼げた瞬間ではなく、歳を重ねた後にどうなっているかで評価される」と述べています。
定年を迎え、会社の看板を外したとき、手元に残るのは年金通帳だけではありません。あなたが20〜30年かけて積み上げてきた「仕組み化の知恵」や「合意形成の技術」は、枯れることのない資産です。
「自由」を選ぶなら、「積み上げ」から逃げてはいけない。私たちが歩んできた道は、まさにその「積み上げ」の歴史そのものです。その価値を言語化し、誰かのために設計し直すこと。それが、定年後の私たちの「第2の現役」を輝かせる唯一無二の戦略なのです。
【今日のステップ】
あなたが会社で当たり前にやっている「トラブルを防ぐためのちょっとした仕組み」を一つ書き出してみませんか?それは、若手起業家がまだ知らない「未来の選択肢を広げる魔法」かもしれません。
この記事を書いた人|ミライジュウ
メディア関連企業の業務部長。ラジオ演出30年の経験を経て、
「50代からでも“1円を生む力”は育てられる」と信じて発信中。
毎朝4時起きでランニング・筋トレ継続中。
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