富士通が振り返る「成果主義の失敗」とは何だったのか
先日、日本経済新聞(日経ビジネス)に「富士通、成果主義の失敗から得た3つの教訓」という記事が掲載されました。1990年代、日本の大企業として先駆的に成果主義を導入した富士通は、長年その運用において「迷走」したと評されてきました。
同社がこの記事で自ら総括した失敗の要因は、主に以下の3点です。
- 手段の目的化: 評価制度を導入すること自体がゴールになり、本来の目的である「個人の成長や組織の活性化」が置き去りになった。
- 一貫性の欠如: 昇進条件や評価基準がチグハグで、部署や上司によって運用の実態がバラバラだった。
- 現場の白け: 「どうせ一部のハイパフォーマーのための制度だろう」と現場が冷笑し、納得感が得られなかった。
一見すると、これらは組織運営における「仕組み」の不備を指摘しているように見えます。しかし、果たして失敗の本質はそこだけにあるのでしょうか。
仕組みの問題か、それとも「個人の停滞」か
私は、この「制度が悪い」という総括に強い違和感を覚えます。昇進して無能だらけの組織になるのは、単に仕組みが未整備だからではありません。本質的な問題は、上司も部下も、役割の変化に合わせて自分を「アップデート」できていない現状にあるからです。
社会学には「人は無能になるレベルまで昇進し、そこに留まる」という「ピーターの法則」があります。有能なプレイヤーが管理職になった途端、パフォーマンスが出せなくなる現象です。
しかし、これを「仕組みの欠陥」として片付けてしまうのは、個人の思考停止を助長します。上司はプレイヤー時代の物差しで部下を測り続け、部下は「過去の切符(実績)」で手に入れた新しい椅子(役職)の上で、過去の成功体験に縒り付いています。この「先を見てアップデートする」という視点の欠如こそが、無能化の真犯人なのです。
50代こそ「現場エース」を捨て、管理職へOSを更新せよ
特に50代のビジネスパーソンにとって、この問題は非常に切実です。
50歳を過ぎても「現場のエース」として、20代・30代と同じ体力と瞬発力で最前線を走り続けるのは、肉体的にも精神的にもあまりに過酷です。また、組織全体を見れば、リーダーがどんどん若返る中で、ベテランが現場に居座り続けることは「使いづらい年配者」を生み、組織の代謝を止めてしまいます。
50代が成すべきは、プレイヤーとしての延命ではありません。自ら「管理職」へとアップデートし、自覚的に自分を更新することです。
- 自分のスキルを仕組み化し、言語化する。
- 個人の数字ではなく、組織のROIを最適化する。
- 変化を恐れず、最新のツール(AI等)を使いこなして効率を上げる。
この「管理職としてのOSアップデート」こそが、実はその先の人生に向けた最強の武器になります。
定年後のコンテンツビジネスを見据えた「最高の準備」
なぜ、50代でのアップデートが重要なのでしょうか。
私自身、定年後に再雇用として働きながらでも良いので、並行して「コンテンツビジネス」を立ち上げたいと考えています。そして、これこそが50代以降の理想的なキャリアモデルであると、本ブログでも強くおすすめしています。
実は、管理職として培ったスキルは、そのままコンテンツビジネスを成功させる鍵になります。
定年後に個人ビジネスを始めると、多くの人が再び「自分が動いて稼ぐ」というプレイヤーの罠にハマります。しかし、50代で真剣に「仕組み化」「言語化」「組織運用」という管理職の役割を全うした人は、個人ビジネスのステージを最初から「オーナー(経営者)」としてスタートできます。
- 言語化: 自分の経験を売れるコンテンツに変える力。
- 仕組み化: AIや外注を使い、自分が動かなくても回るシステムを構築する力。
- 俯瞰力: 目の前の作業に没頭せず、事業全体の戦略を練る力。
これらはすべて、50代で自分をアップデートし、管理職として「人や仕組みを動かした経験」があるからこそ発揮できる能力なのです。
結論:あなたが今日から「アップデート」を始めるための3つのアクション
「無能になるまで昇進する」というピーターの法則の呪縛を解き、定年後のコンテンツビジネスという自由を手に入れるために。あなたが今すぐ取るべき行動は、以下の3つです。
自分の業務を「棚卸し」し、言語化する
まずは、今あなたが「感覚」でこなしている仕事をすべて書き出してください。その中で「自分にしかできない」と思っていることを、あえて「マニュアル化するならどう書くか?」という視点で言語化してみましょう。この「言語化能力」こそが、将来売れるコンテンツを作る力の源泉になります。
「管理職スキル」を「ビジネスオーナーの視点」に置き換える
今の会社での管理業務を、単なる「調整」だと思わないでください。それは「最小の労力で最大の成果を出すための仕組み作り」の訓練です。会議の効率化、部下への権限譲渡、ツールの導入。これらすべてを「将来の自分のビジネスを自動化するためのテスト」だと捉え直し、主体的に取り組んでみてください。
「プレイヤー」としての自分を卒業する勇気を持つ
「自分が動いたほうが早い」という誘惑を捨ててください。50代のあなたが磨くべきは、実務能力そのものではなく、「人や仕組みを動かす力」です。現場のエースという居心地の良い椅子を後輩に譲り、一歩引いた視点で組織全体を最適化する。その「覚悟」が、あなたのOSを最新版へとアップデートします。
最後に
50代は、キャリアの「終わり」へのカウントダウンではありません。むしろ、これまでの経験を抽象化し、一生モノの資産へと変えていく「最高の準備期間」です。
組織のバグに飲み込まれて「無能なベテラン」として過ごすのか。それとも、自らアップデートを繰り返し「仕組みを操るオーナー」への道を歩むのか。
その選択は、今この瞬間のあなたの「覚悟」にかかっています。まずは今日、ノートを一冊開き、あなたの「当たり前」を書き出すことから始めてみませんか。
この記事を書いた人|ミライジュウ
メディア関連企業の業務部長。ラジオ演出30年の経験を経て、
「50代からでも“1円を生む力”は育てられる」と信じて発信中。
毎朝4時起きでランニング・筋トレ継続中。
▶︎ 運営者プロフィールはこちら
\ あわせて読みたい /
▶︎ 個人IPビジネスの始め方|「ネタがない・続かない・反応がない」を突破する3つの方法
▶︎ 伝わる文章の書き方2026|2年前にはいなかった相談相手
▶︎ 個人IPビジネスにチャレンジ!|経験・スキルを“知的財産”に変える方法

コメント