自由に見える行動となぜ虚しさが残るのか
「昼間からビールを飲む」「好きなケーキを好きなだけ食べる」。誰からも咎められず、自分の好きなことをしている――。これこそ自由だと思いがちです。ですが、実際にやってみると不思議と充実感は得られず、むしろ虚しさが残る経験をした人も多いでしょう。
とある記事で紹介されていたのが、この疑問に対する哲学者イマヌエル・カントの答えです。カントによれば「欲望に従うこと」は自由ではなく、むしろ衝動の奴隷になることだといいます。真の自由は「理性で自らに課したルールに従うこと」、つまり「自律」にあるのです。
昼間からビールを飲むのは欲望に従っただけであり、一時の解放感はあっても虚無に陥りやすい。一方で「仕事を終えてから一杯飲む」という自分なりのルールを守るのは、自律を伴った自由です。ここに、私たちが誤解しがちな「自由の正体」があるのです。
50代に訪れる自由の転換期
若い頃の自由は「制約から逃れる自由」でした。校則や上司の指示から解放されたい、束縛のない時間を手にしたい。そんな衝動こそが自由の象徴だったかもしれません。
しかし50代に差しかかると事情は変わります。体力の衰え、健康不安、会社での立場の変化、そして定年の足音。逃れる自由ではなく「どう関わるか」を選ぶ自由が求められます。
・「定年後も働くべきか」
・「どんな形で社会に役立てるか」
・「培った経験をどう活かすか」
これらの問いに答えることが、50代以降の自由の中身を形作るのです。
だからこそ「自由に遊んで暮らしたい」という幻想よりも、「どう稼ぎ、どう社会とつながるか」が問われる時期に入るのです。
稼ぐことは自由か、それとも不自由か
多くの人は「稼ぐ=自由」と考えます。経済的に余裕があれば選択肢は広がり、人生の幅も豊かになる。しかし、実際には稼ぐことが不自由を生む場合もあります。
事業に成功した人が、顧客や社員の期待に縛られ、休むこともできない。フリーランスが仕事を断れず、24時間対応に追われる。収入はあっても心は不自由。そんな矛盾に陥る例は枚挙にいとまがありません。
結局のところ、「いくら稼いでいるか」ではなく「どう稼いでいるか」が自由か不自由かを分けるのです。
時給労働から資産労働へのシフト
50代から目指すべきは、時間を切り売りする「時給労働」から、積み上げた経験を資産に変える「資産労働」への移行です。
時給労働は確実に収入が得られる一方、働けなくなればゼロになる。加齢による体力・気力の低下を考えるとリスクが大きいのは明白です。
資産労働とは「自分が直接動かなくても価値を生み続ける仕組み」を作ること。金融資産だけでなく、知識や経験も資産になります。
・長年のノウハウを教材や講座にまとめる
・経験をブログや書籍で発信する
・人脈を活かしてコミュニティを作る
これらはすべて、自分の時間と切り離して収益を生む形に変える工夫です。
資産労働は一夜にして築けませんが、一度仕組み化すれば、仕事のペースを自分で決められる自由が生まれます。
商売に自由はあるのか
ここで問題になるのが「商売に自由はあるのか?」という問いです。商売は市場に依存する以上、完全な自由ではありません。売れるテーマを選び、顧客の要望に応える必要があるからです。
しかし、カントの言葉を借りれば「自由とは欲望から解放されること」ではなく「理性でルールを選ぶこと」。商売も同じです。「どの市場を選ぶか」「どんな顧客に価値を届けるか」を決めるのは自分です。
つまり商売は不自由な営みでありながら、その制約の中で「どの不自由を選ぶか」という余地が残されている。この選択の余地こそが、商売における自由の正体だといえます。
50代からの“自律的な稼ぎ方”
50代からの自由は「働かないこと」ではなく「選んで働けること」。社会に役立ち、感謝され、対価を得ながら、自分のペースで生きられる状態です。
そのためには、自分の資産(知識・経験・人脈)を仕組みに変える必要があります。そして「どの制約を選ぶか」を主体的に決めることです。
商売に完全な自由はありません。ですが、制約を自分で選べるなら、それは自律の自由です。
「商売は不自由だが、どの不自由を選ぶかは自由」――この逆説を受け入れたとき、50代からの働き方は大きく変わるはずです。
この記事を書いた人|ミライジュウ
メディア関連企業の業務部長。ラジオ演出30年の経験を経て、
「50代からでも“1円を生む力”は育てられる」と信じて発信中。
毎朝4時起きでランニング・筋トレ継続中。
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