稼ぎたい。その裏にある“正体のない欲”
「稼ぎたい」「もっと影響力を持ちたい」——
そんな気持ちは、これから自分の力で生きていこうとする人にとって自然な感情だと思います。
家族のため、誰かの役に立ちたい、世の中を良くしたい。そういう“まっとうな理由”とセットで語られることも多いでしょう。
でも、ふと立ち止まったとき、こんな違和感にぶつかることがあります。
「それ、本当に“やりたいこと”だったっけ?」
「気づかないうちに、“上に立ちたい”が目的になってないか?」
「誰かの役に立つより、認められることに夢中になってないか?」
もしあなたが、こんなふうに自問したことがあるなら——
それは、あなたの中の“拡張された自我”が動き出しているサインかもしれません。
「身体拡張」という欲望のしくみ
身体拡張とは、本来は道具や乗り物を使っているときに、それを自分の身体の一部のように感じる心理現象です。
たとえば、大きな車を運転していると、自分まで大きくなったような感覚になる。
この「自分が広がった」という感覚は、実はモノだけでなく、人間関係や地位、数字にも起きているのです。
- SNSのフォロワー数が増えると、自分の影響力が増したように感じる
- 売上が伸びると、自分の価値が上がったように錯覚する
- コミュニティでリーダーになると、ひとつ上の存在になった気がする
これらは、すべて“身体拡張”によって生まれる自己イメージの変化です。
悪いことではありません。ただ、それが“欲望のゴール”にすり替わってしまうと、やりたかったことが見えなくなってしまうのです。
いつの間にか「拡張されること」が目的になっていないか?
「人のために発信している」と思っていたけれど、
本当は「いいねが欲しい」だけだった。
「誰かに価値を届けたい」と言いながら、
実は「自分の存在を証明したい」だけだった——
そんな感覚にハッとしたことはありませんか?
気をつけないと、
本来は“手段”だったはずの「稼ぐこと」「広げること」「目立つこと」が、
いつの間にか“目的”になってしまう。
そして、終わりのない数字の階段を登り続けるうちに、自分を見失ってしまう。
それは、“身体拡張された自分”に支配されている状態です。
本当の欲は、“拡張”ではなく“納得”かもしれない
じゃあ、どうすればいいのか。
それは、「この行動は、誰のためのものか?」と自分に問い続けること。
そして、「この結果が得られなくても、自分は納得できるか?」と確認すること。
他人に見せるためではなく、自分が心から納得できるかどうか。
承認のためではなく、手応えのために行動しているかどうか。
そこに気づけたとき、「拡張された自我」は、ゆっくりと静かになります。
小さな行動でもいい。
誰かに見られなくてもいい。
静かに、でも確かに届くような生き方は、外に向かって拡張するよりも、
内側に向かって“軸”を育ててくれます。
満たしたいのは、誰かの期待じゃなくて、自分自身
稼ぐ力をつけたい、影響力を持ちたい、仲間と繋がりたい。
どれも自然な欲です。でも、その先に「自分で納得できる人生」がなければ、
欲望に飲み込まれ、終わりのない競争に引きずり込まれてしまう。
今こそ、自分に問いかけてみてください。
「それ、本当に自分がやりたいことだったっけ?」と。
そして、もし違うと思ったなら、今日から始めればいい。
拡張された自分を目指すのではなく、等身大の自分を信じて行動すること。
その積み重ねこそが、本当の意味で“自分の力で稼ぐ”ということなのだと思います。
この記事を書いた人
ミライジュウ|ゼロイチ・スタジオ
メディア関連企業の業務部長。ラジオ演出30年の経験を経て、
「50代からでも“1円を生む力”は育てられる」をテーマに情報発信中。
自身の実践と言葉で、“知の再構築”をサポートしています。
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