自分の言いたいことを書けばいいのか、検索向けに情報をまとめればいいのか。
この境界があいまいなまま記事を書き始めると、どこかで必ず違和感が出てきます。
「伝えたいことはあるのに、うまく形にならない」
「役に立つ情報のはずなのに、読まれ方に手応えがない」
そんなモヤモヤを抱えたまま記事を量産しても、読者の心にはなかなか届きません。
長く文章や音声のコンテンツに関わってきて感じるのは、ブログはただの情報発信ではなく、“旅の案内”にとても近いということです。
読者は、地図を持たないままスタート地点に立っています。
「この道で合ってるのかな?」という不安を抱えながら、あなたの記事を開いている。
だから書き手の役割は、情報を並べることではなく、「ここから一緒に歩きましょう」と導くことなんです。
この視点を持つだけで、文章の温度がガラッと変わっていきます。
「セレクトショップ」ではなく「ツアーコンダクター」を目指せ
発信には、大きく二つのタイプがあります。
ひとつは“私の好きなものだけを並べる店”のような、セレクトショップ型。
もうひとつは、読者の悩みを起点に案内していく、ツアーコンダクター型。
まだ知名度ゼロの状態から育てていくなら、後者が圧倒的に強いです。
読者は、あなたの“好き”に興味があるわけではなく、「自分をゴールまで連れていってくれそうか」を見ています。
ツアコンの役割はシンプルです。
道を迷わせないように、余計な情報をそぎ落とす。
読者の心の体力が落ちないように、ペースをゆるめたり加速したり調整する。
そして、ただの知識に「これはあなたの未来をこう変えます」という意味を持たせる。
これは、文章術というよりも“寄り添いの技術”に近い。
読者が困っているときにそっと差し出される地図のようなもの。
その地図に安心感があれば、「この人についていこう」と思ってもらえるんです。
ラジオ中継に学ぶ「脳内Googleマップ」の技術
昔、「道の駅」から中継する番組を担当していた時期があります。
たった数分の生放送で、その場所の魅力をどう伝えるかが勝負でした。
ただ事実を並べても伝わらないんです。
問題は、聞き手の頭の中に“地図が立ち上がっていない”こと。
「どこにいて」
「どんな道を通って」
「今、何が目の前に広がっているのか」
ここが共有できていないと、言葉が全部空中に散っていきます。
「リスナーの脳内Googleマップを、言葉だけでズームインさせろ」
先輩に言われたこの一言は、今でも文章を書くときの土台になっています。
ブログもまったく同じで、読者はあなたの頭の中の地図を持っていない。
だから最初に“位置情報”を渡してあげる必要がある。
「この話は、あなたがいま悩んでいるこの場所から始まりますよ」
そう示すだけで、読者の理解速度は驚くほど上がります。
読者を迷わせない「道の駅」式・ブログ構成テンプレート
ラジオの中継には、ひとつの定番の流れがありました。
最初に“道”の話をして空気を作り、
次に“道の駅”の中身を丁寧に案内し、
最後に「これだけ食べて帰って!」とベストな一品を押す。
これをブログに置き換えて考えると、構成が驚くほど整います。
どこに何を置けば、読者が迷わずに進めるのかが自然と見えてくるんです。
ステップ①:「道」を語る(導入・背景)
ノウハウから入る文章は、どうしても冷たく見えます。
人は、知らない道をいきなり歩けません。まずは「どんな人が、どんな事情でこの道に立っているのか」を描くところから始める。
たとえば、
「仕事終わりにパソコンを開いてみたけれど、頭が重くて一行も書けない夜」
そんな体験を正直に差し出すだけで、読者は“あ、自分もそこに立っていた”と共鳴します。
この共通のスタート地点があると、そのあとの話が全部、スッと飲み込める。
文章は技術よりも、まず“位置合わせ”なんです。
ステップ②:「道の駅」を案内する(解決策の提示)
背景が共有できたら、ここでようやくノウハウの出番。
でも、詰め込みすぎると読者はすぐに息切れします。
大切なのは、「ここが全体の景色ですよ」と最初に示すこと。
地図アプリを開いてルートをざっくり見ておくイメージです。
そのうえで一つずつ丁寧に案内していく。
難しい場所に差し掛かる前には、「ここから少し坂道になります」と一声かける。
その小さな声かけが、読者の心の体力を守ります。
案内役の存在が温かいと、ノウハウ自体も受け取りやすくなる。
これは何度も実感してきたことです。
ステップ③:「今食べるべき一品」を渡す(最初のアクション)
すべて理解したつもりでも、行動に移せる人は多くありません。
だから最後に、“今日これだけ”を渡してあげる。
一口サイズでいい。
難しくする必要はまったくない。
この記事なら、
「次の記事の書き出しを、ノウハウではなく“読者の現在地”から始めてみる」
これだけで十分です。
たった一つでも行動できれば、読者の中に“進めた感覚”が生まれます。
その小さな成功体験こそ、お土産として持ち帰ってほしいものです。
まとめ:読者を「ゴール」させてこそプロ
文章がうまいかどうかより、「ちゃんと案内できたかどうか」。
ずっとそう考えてきました。
道の背景を語り、地図を描き、道の駅で休ませて、一口サイズの行動を手渡す。
この流れを丁寧に通すだけで、文章はただの説明から“旅の体験”に変わります。
画面の向こうで、少し不安を抱えている誰かに、
「一緒にこの道を歩いてみませんか」
と差し出す手。
その手の温度こそが、文章の価値になるのだと思っています。
この記事を書いた人|ミライジュウ
メディア関連企業の業務部長。ラジオ演出30年の経験を経て、
「50代からでも“1円を生む力”は育てられる」と信じて発信中。
毎朝4時起きでランニング・筋トレ継続中。
▶︎ 運営者プロフィールはこちら
\ あわせて読みたい /
▶︎ 個人IPビジネスの始め方|「ネタがない・続かない・反応がない」を突破する3つの方法
▶︎ 伝わる文章の書き方2026|2年前にはいなかった相談相手
▶︎ 個人IPビジネスにチャレンジ!|経験・スキルを“知的財産”に変える方法

コメント