「頭ではわかっているのに、一歩が踏み出せない」
「何かを始めたいけれど、気づけば考えているだけで時間が過ぎていく」
そんなふうに、“慣れた場所”という見えない檻の中で、息苦しさを感じていませんか?
かつての私は、ラジオの現場から事業企画、そして管理部門へと、何度も「役割の移動」を繰り返してきました。
そのたびに新しい環境へ適応し、ゼロから人間関係を築き、挑戦を重ねてきたからこそわかります。
多くの人が求める「安定」や「定住」は、実は「停滞」という名の緩やかな腐敗でもあるということを。
それでも、私たちは“変わらない日々”に安心しがちです。
けれどその裏で、心のエネルギーは静かに枯れていく。
いつしか、「考えるだけで動けない自分」に気づく瞬間が訪れます。
あなたの行動を妨げているのは、意志力の弱さではありません。
今話題の本『移動する人はうまくいく』(長倉顕太氏著)が示すように、
人を動かし、人生を好転させる鍵は“環境をコントロールする力”にあります。
この記事では、長倉顕太氏の「移動力」の考え方を、私自身の経験を交えながら解説します。
読み終える頃には、停滞を破るための3つのステップが明確になり、
意志力ゼロでも行動が続く「心の新陳代謝サイクル」があなたの中で動き出すはずです。
なぜ私たちは「動きたいのに動けない」のか
長く会社にいると、いつの間にか「安定」という心地よい罠に絡め取られてしまいます。
特に40代、50代になると、その傾向は一層強くなります。
私たちが「動けない」最大の原因は、心のエネルギー源である“報酬の予期”が枯渇していることにあります。
脳は「これをやれば成功する」「これは楽しかった」という“報酬の予測”があるとき、
行動エネルギーであるドーパミンを分泌します。
しかし、同じ環境で同じ人に囲まれ、同じ業務を繰り返すとどうなるか。
――予測できる未来しか見えなくなるのです。
その結果、
「どうせやっても同じだろう」という感覚が、行動への報酬予期をゼロにしてしまいます。
さらに、周囲はあなたを“過去のあなた”で評価します。
新しいことを始めようとすれば、「あの人が?」「らしくない」という無言の圧力が降りかかる。
その目が、無意識のうちに“キャラ変”を阻止してしまうのです。
そんな状況で「もっと頑張ろう!」と意志力に頼るのは、
詰まった掃除機の吸引ボタンを連打するようなもの。
必要なのは「根性」ではなく、環境そのものを動かす発想です。
長倉顕太氏に学ぶ「小さな移動」で心を再起動する
では、どうすれば停滞した心を動かせるのか?
答えは、長倉顕太氏が提唱する「移動」――環境を変えることにあります。
私自身、環境の変化によって何度も再スタートを切ってきました。
その経験から言えるのは、
“反省より移動”こそが人生を前進させる現実的な方法だということです。
私の体験:早朝ランニングで「場所が人を変える」と知った
50代になって始めたランニングと筋トレ。
最初は「疲れるから嫌だ」と思っていたのに、
家の外に出て“早朝の静けさと冷たい空気”に包まれると、気持ちが一変しました。
布団の中にいた「だるい自分」は、その場所には存在できません。
「走る自分」という新しいキャラが、環境によって強制的に上書きされるのです。
同じように「降りたことのない駅で降りて散歩する」だけでも効果があります。
知らない風景に足を踏み入れた瞬間、
過去の悩みやしがらみが一時的に消え、思考の酸素が新しくなる。
これこそが、行動 → 発見 → 成長 の連鎖を生む、
「心の新陳代謝サイクル」始動の瞬間なのです。
成長を定着させる“継続力”の正体
とはいえ、一時的な変化だけでは元に戻ってしまう。
これも多くの人がつまずくポイントです。
「モチベーションが下がるたびに立て直す」のではなく、
行動を仕組み化してしまうことが重要です。
心理学者ベンジャミン・ハーディ氏の『FULL POWER』は、
この考えを科学的に裏付けています。
彼は「目標達成に必要なのは意志力ではなく、環境デザインだ」と説きます。
たとえば――
・スマホを車に置いて、誘惑そのものを断つ(強制機能)
・朝起きたら水を一杯飲むという初期設定で、体の流れを自動化する(デフォルト変更)
このように、行動の初期設定を良い方向に変えることで、
エネルギーを使わずに行動を続けられる仕組みが整います。
長倉顕太氏の「移動」が爆発的な変化を起こすなら、
ハーディ氏の「環境デザイン」は、変化を安定化させる土台です。
この二つを掛け合わせることで、行動は止まらなくなります。
50代こそ「心の新陳代謝」を起こすべき理由
ここで一歩、現実的な話をしましょう。
多くの50代が抱えているのは、「変わりたい」という願いと、「変われない」現実の板挟みです。
なぜ、この年代で“心の新陳代謝”が必要なのか。
それは、「会社の看板」が外れたとき、本当の自分が試されるからです。
再雇用になれば給料は半分。
部下に評価される立場になり、
65歳には組織の肩書きも消える。
そのとき、これまでと同じやり方ではもう通用しません。
会社という看板がなくなれば、「自分」という看板しか残らない。
だからこそ、50代は「締めくくり」と「再出発」を同時に設計すべき時期なのです。
私たちはまだ遅くない。むしろここからが、人生の本番です。
定年後に個人で商品を作り、コンテンツを届ける。
そのための準備期間として、今こそ「心の新陳代謝」を起こすとき。
慣れた環境から一歩抜け出すことが、未来の自分への最大の投資になります。
「心の新陳代謝サイクル」で人生を動かし続ける
では最後に、私が断言する「心の新陳代謝サイクル」を明確にしておきましょう。
| 段階 | 目的 | 行動の指針 |
|---|---|---|
| 挑戦期(移動) | 停滞を破り、新たな環境で発見の報酬を得る | 悩む時間を移動に充てる。アイデアが詰まったら、即カフェや図書館へ。 |
| 定着期(仕組み化) | 成長を固定化し、行動を習慣に変える | 強制機能を3つ以上設定する。PC通知オフ、夜Wi-Fiオフなど複合的に。 |
| リセット期 | マンネリを避け、次の挑戦へ切り替える | 3ヶ月に一度は環境を変える。新しい場所・人・空気を取り入れる。 |
このサイクルを回すことで、
長倉顕太氏の言う「人生の豊かさ=選択肢の多さ」が自然に広がっていきます。
移動で新しい選択肢を見つけ、
仕組み化でそれを定着させ、
リセットで再びアップデートする。
その繰り返しが、50代からのキャリアにも副業にも、確かな推進力を与えてくれます。
意志力に頼らず、環境の力で動く。
それが「心の新陳代謝サイクル」を生きるということです。
この記事を書いた人|ミライジュウ
メディア関連企業の業務部長。ラジオ演出30年の経験を経て、
「50代からでも“1円を生む力”は育てられる」と信じて発信中。
毎朝4時起きでランニング・筋トレ継続中。
▶︎ 運営者プロフィールはこちら
(リンクは仮)
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