ブログを始めると、多くの人が一度は悩むテーマがあります。
それは、
「好きなことを書けばいいのか?」
「それとも、稼ぐためのテーマに絞るべきなのか?」
という問いです。
私自身も、一度ブログで挫折した経験があるからこそ、この問いがよくわかります。
でも最近あらためて思うのは、
「好きなことをやること」こそが、結局“続ける力”につながるし、結果的に“稼ぐ力”にも通じていくということです。
「続けられるかどうか」は“好きかどうか”にかかっている
人は「続けること」が一番むずかしい。
でも、それを支えるのは“好き”という気持ちです。
私たちはつい「得意なことを仕事にしよう」と考えがちですが、
実は、得意かどうかよりも、“好きかどうか”のほうが行動の持続力に直結します。
なぜなら、「得意なこと」でも飽きることはあるし、プレッシャーも感じる。
でも、「好きなこと」は上手くいかなくても楽しいし、自然と時間をかけられる。
たとえば、ブログをやっていても、
「これは稼げそうだから」と無理して選んだテーマは、
数記事で止まってしまうことが多い。私も経験があります。
“続ける”には「好き」が必要。
それは、心と行動をつなぐ原動力なんです。
好きなことは、自分の中の“センサー”を育てる(カラーバス効果)
何かを好きになると、不思議とその世界の情報が自然と目に入ってくるようになります。
たとえば、あなたが「赤い車」が気になりはじめたとしましょう。
すると、街を歩いているとき、赤い車ばかりがやたら目につく。
これはまさに、「カラーバス効果」という心理現象です。
脳には、RAS(網様体賦活系)という“選択的注意”のフィルターがあります。
自分が重要だと感じたものに、脳が自動的にアンテナを立て始めるんですね。
だからこそ、「好きなこと」がある人は、
その分野において自分だけのセンサー(感度)がどんどん育っていく。
そしてその情報の“濃さ”や“気づき”が、やがて文章や発信の深さになって表れてくるのです。
人を動かすのは“うまさ”ではなく“熱量”だった──町工場の社長の話
昔、私がラジオ番組のディレクターをしていたころのことです。
とある町工場に、生放送の中継で取材に伺うことになりました。
下見で訪れたとき、出迎えてくださったのは、高齢の先代社長。
口数は多くないけれど、どこか温かく、優しい雰囲気の方でした。
雑談のなかで、ふと「キーボードが趣味なんですよ」とおっしゃったので、
「よかったら少しだけ弾いてみてください」とお願いしてみたんです。
すると、社長は照れながらもキーボードの前に座り、
弾きはじめたのは──小柳ルミ子の『瀬戸の花嫁』。
最初の数小節でわかりました。
リズムは少しズレていて、ところどころ音も外れる。
でも、それを上回る“何か”がそこにはあったんです。
目を細めながら、とても楽しそうに演奏するその姿。
それは「演奏」というより、まるで“人生を奏でている”ように感じました。
あとで聞いた話では、近所のスナックで引っ張りだこの人気者なんだとか。
「人前で弾けるのが生きがい」と、笑って話してくれました。
その瞬間、私は心を打たれました。
人の心を動かすのは、“うまさ”ではなく“熱量”なのだ。
そう確信したのです。
もちろん、本番でも演奏していただきました。
リズムや音程の正確さなんて、誰も気にしていませんでした。
スタジオにも現場にも、ただ“あたたかい感動”が流れていました。
自分が楽しむことで、自然と“深さ”と“伝わる力”が育つ
町工場の社長が奏でた『瀬戸の花嫁』を聴いて、
私はあらためて気づかされました。
「好きなことを、評価なんて気にせず、心から楽しむ」 それが、人の心に届く何かを生み出す。
自分自身にも、そういう時間があります。
私は高校時代からエレキギターを弾いていますが、正直、上手くはありません。
コードもよく間違えるし、リズムが走ることもある。
でも、弾いている時間は楽しくて仕方がないんです。
ひとりでこっそり弾いているだけでも、なぜか満たされる。
気づけば、もう何十年も続いています。
好きだから、続く。 続けるから、見えてくるものがある。 上手いとか下手とか、関係ない。
自分が本当に“好きであること”が、何よりの強さになる。
そしてその“強さ”が、誰かに伝わる言葉や行動を生み出す。
「この人、なんだかいいな」って思ってもらえる何かになる。
だからこそ私は、自分の“好き”に正直でありたいと思っています。
好きなことを続ける力は、やがて“伝える力”や“稼ぐ力”につながっていく
ブログで何を書くか──。
その選択に迷ったとき、私はこう考えます。
「まず、自分が心から“好きだ”と思えることを、大事にしよう。」
好きなことは、最初の一歩が自然に踏み出せるし、
うまくいかなくても続けたくなる。
そして、続けることで“深さ”が生まれ、そこに“価値”が宿っていく。
誰かにとって、その経験がヒントや希望になることもある。
それが、自分の中にしかない“ストーリー資産”になるのです。
稼ぐ力は、特別なテクニックではなく、
「自分の中の好き」に正直でいることから始まる。
私はそう信じています。
「好きだから、続いた。」
「続けたから、見えた。」
そんな発信を、これからもこの「ゼロイチ・スタジオ」で積み重ねていきます。
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