50代の挑戦に立ちはだかる“見えない壁”
「そろそろ自分の力で収入を得られるようになりたい」
「会社に依存せず、セカンドキャリアを歩みたい」
50代になると、そんな思いがふと胸に湧いてきませんか?
でも、いざ行動に移そうとすると――
・何をしたらいいのか分からない
・結局、今まで通りの生活に戻ってしまう
・情報は集めてるけど、行動はしてない
この“宙ぶらりんの状態”に、心当たりのある方も多いはずです。
そしてここで大事なのは、
「やらない理由」が外ではなく、自分の“思考の中”にある
という事実です。
あなたの行動を操る「2つの思考システム」
ノーベル経済学賞を受賞した心理学者ダニエル・カーネマンは、著書『ファスト&スロー』でこう言っています。
人間には、「システム1」と「システム2」という2つの思考モードがある。
ざっくり言うと、こうです:
・システム1:直感的・感情的にサッと反応する思考
・システム2:論理的・意識的にゆっくり考える思考
例えば、
・横断歩道で車が近づいてきたら、とっさに足を止める(システム1)
・老後資金をどう増やすかを紙に書き出して考える(システム2)
という具合です。
人間は省エネ思考を好むため、普段の行動の大半はシステム1に任せています。
ここに落とし穴があるのです。
稼ぐ力を奪う“思考のクセ”に気づく
副業を始めよう、勉強を再開しよう、ブログを書こう――
そう思った瞬間、頭の中に浮かぶのはこんな声ではないですか?
・自分には向いてないかも
・どうせ失敗する
・今さら始めても遅い
これらは「現実の問題」ではなく、システム1が引き起こす“思考の罠”です。
カーネマンは、これを「認知バイアス」と呼びました。
特に50代に多いバイアスは以下の3つです:
- 損失回避バイアス
失う痛みを、得られる喜びよりも大きく感じてしまう。
→ だから「現状維持」が安心に思える。 - 確証バイアス
自分の思い込みを正当化する情報だけを集める。
→ 「自分には無理」と思ってる人は、それを裏付ける例ばかり検索する。 - 現在バイアス
未来のメリットより、今の快適さを優先する。
→ 勉強よりもテレビ。副業よりも惰眠。
これらはすべて、“無意識の判断”で人生の選択を狭めてしまうクセなのです。
思考を整えるだけで、習慣が変わる
たとえば、私の知人でこんな方がいます。
50代で定年を迎え、漠然と「副業でも…」と考え始めたが、半年間まったく動けなかったそうです。
理由は、「何から始めればいいか分からない」「周りにできている人がいない」など。
でも、あるとき『ファスト&スロー』を読んだことで、
「自分が“バイアス”で思考停止していた」と気づいたのだそうです。
そこで始めたのは、こんな習慣です。
- 思いついた副業アイデアは「まず5分調べる」ルール
- 「やらない理由」は紙に書いて見直す
- 習慣づけに使う時間帯を「朝30分」に固定する
すると、1ヶ月でブログ開設 → 3ヶ月後には収益が発生したというのです。
行動を変えたのではなく、「思考の前提」を変えた。
それだけで、行動が自然に生まれたというわけです。
「思考の罠」を抜けた先にあるもの
私たちは、「行動できない自分」に落ち込んだり、焦ったりします。
でも、その原因は能力ややる気ではなく、脳の“省エネ設計”にあることが多いのです。
だからこそ、『ファスト&スロー』の考え方は、50代以降の人生に大きな武器になります。
自分の思考のクセを知り、
意識的に選び直す力を身につける。
これこそが、“稼ぐ力”の土台となる「思考習慣」なのです。
書いた人|ミライジュウ
メディア関連企業の業務部長。ラジオ演出30年の経験を経て、
「50代からでも“1円を生む力”は育てられる」と信じて発信中。
毎朝4時起きでランニング・筋トレ継続中。
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