完璧主義はなぜ無責任なのか?|独りよがりの正義を手放す60点思考法

完璧主義とは「独りよがりの正義」である

「完璧主義」と聞くと、努力家の証のように聞こえるかもしれません。
けれどその裏には、もっと厄介な顔があります。
それは、独りよがりの正義です。

「ちゃんとやるのが当然」「中途半端なまま出せるわけがない」。
そんな“正しさ”を掲げて、動かない理由を守り抜く。
これこそが、完璧主義の本質です。

そして、その正義は往々にして、自分の不安を覆い隠すための鎧です。
本当は怖い。失敗するのが。恥をかくのが。
だから“正しさ”を盾にして、「まだ準備中です」と言い続ける。
それは責任感ではなく、行動から逃げるための理屈なのです。

私も長くこの「正義の鎧」を着ていました。
30年のラジオ現場で、完璧を求めるあまり、何度も行動を遅らせてきた。
けれど今ならわかります。
完璧主義は、最も無責任な態度です。
なぜなら、目的を果たす責任よりも、自分の安心を優先してしまうからです。

この記事では、完璧主義という“独りよがりの正義”を手放し、
目的に向かって60点でも動ける思考法をお伝えします。
結論は明快です。――最高の責任とは、柔軟に動き続けること。


完璧主義が招く「責任のすり替え」

多くの人は、完璧主義を「責任感の強さ」だと信じています。
しかし、そこにあるのは「失敗したくない」という自己保身
「完璧でない自分を見せたくない」「批判されたくない」。
それは他者への配慮ではなく、自分の評価を守るための行動です。

完璧主義の恐ろしさは、目的のすり替えにあります。
「成果を出すため」ではなく、「ミスをしないため」に努力するようになる。
これが、行動を止める最大の原因です。

完璧を求めるほど、本来の目的――“誰かに価値を届けること”――が遠ざかっていく。
それは「正義」という名を借りた、自己中心的な停滞なのです。


ラジオ現場で見た「独りよがりの正義」

昔、あるディレクターがいました。
編集にこだわるあまり、放送時間に間に合わず番組が飛んでしまった
つまり、放送そのものができなかったのです。

どんな事情があったかはわかりません。
ただ、放送の世界で最も大切なのは「オンエアされること」。
どれだけ音が美しくても、どれだけ構成が完璧でも――
放送できなければ、それは「存在しない番組」です。

完璧を求めるあまり、目的を見失う。
それが、まさに“独りよがりの正義”の象徴でした。
結果、そのディレクターは厳しく叱責され、担当から外れました。
現場では誰も、「仕方なかったね」とは言いません。
なぜなら、彼が守ったのは「作品の完成度」であり、「リスナーへの約束」ではなかったからです。


完璧さよりも、目的を果たす柔軟性を

ラジオに限らず、どんな仕事も「納期」と「目的」があります。
つまり、完璧を追うより“完了させること”が本当の責任
それは妥協ではなく、現実の中で結果を出す力です。

完璧主義者は「作品」を守り、プロは「目的」を守る。
この違いが、信頼を生むか、信頼を失うかを分けます。
大切なのは、“自分の理想”ではなく、“相手に届く結果”なのです。


60点で走り続けるという責任感

ゼロイチを始めるとき、最も危険なのは「出さないこと」。
完璧を待っている間に、世界はもう次に進んでいます。

60点で出して、修正しながら進めばいい。
完璧を求めるより、未完成でも“今”を動かす方が、何倍も責任ある行動です。
完成度を高めるのは、出した後でもできる。
出さなければ、何も始まらない。
ゼロイチを動かす力とは、「完了させて次に進む力」なんです。


完璧主義を手放す3つの実践

① 「合格ライン=60点」を最初に決める

「ここまでできたら一旦出す」と最初に宣言する。
それが、行動を止めないための仕掛けです。
基準を明文化すれば、完璧を求める誘惑から抜け出せます。

② 「予見性」という名のバッファを持つ

人もプロジェクトも、必ず予定外が起きます。
だからこそ、余白をあらかじめ組み込む
“うまくいかない日”を想定しておくことが、最も責任ある計画です。

③ 「行動しないコスト」を数字で見る

完璧を待っている間に、どれだけの機会を逃しているか。
市場での遅れ、信頼の低下、時間の損失。
それを見える化すると、「動く方が合理的」だと腑に落ちます。
行動は、最も誠実な責任の取り方です。


最高の責任とは、「動き続ける覚悟」

完璧主義は、あなたのゼロイチを静かに殺します。
50代からの挑戦に必要なのは、完璧な準備ではなく、不完全でも動き続ける勇気です。

失敗してもいい。修正すればいい。
60点で走り出し、70点を目指し、90点に育てていく。
その過程こそが、あなたの責任の証です。

完璧を目指す正義より、動き続ける覚悟を選びましょう。
あなたの60点が、誰かの希望になる。
ゼロイチのエンジンは、いつだって「行動」からしか始まりません。


この記事を書いた人|ミライジュウ

メディア関連企業の業務部長。ラジオ演出30年の経験を経て、
「50代からでも“1円を生む力”は育てられる」と信じて発信中。
毎朝4時起きでランニング・筋トレ継続中。

▶︎ 運営者プロフィールはこちら
(リンクは仮)


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