年金不安の“正体”はどこから来るのか?
「年金だけでは生活できない」。こんな声、最近はニュースやSNSでもよく目にしますよね。
実際に老後の生活費に必要な金額としてよく挙がるのが「月20万円前後」。対して、平均的な公的年金の受給額はというと、夫婦2人で約22万円、単身であれば14万円程度(※厚労省データより)。つまり、住居費や医療費などの条件次第では“足りる人”もいるけれど、“足りない人”も確実にいるというのが現実です。
ですが、それ以上に気になるのが、「足りる・足りない以前に、自分の状況が見えていない」こと。
実際、ねんきん定期便をきちんと確認していない、将来の生活費の想定をしたことがない──そんな人も多いのではないでしょうか?
「なんとなく不安」だからこそ、冷静に現実を見つめる作業が、今の50代には必要なのです。
足りないのは、金額よりも「武器」だった
私は現在、企業の業務部長として、定年後の再雇用に関わる契約や業務調整を担当しています。
再雇用者の方々と接する中で感じるのは、「本当に自分の力で稼げる人は、驚くほど少ない」という現実です。
多くの方が、前職と似たような環境で、限られた条件の中でなんとか“雇ってもらう”道を選んでいます。
これは当然です。なぜなら、自分の商品やスキルを持たないまま65歳を迎えると、それ以外の選択肢が残っていないから。
ここで問いたいのは、「老後に足りないのは“お金”だけなのか?」ということ。
むしろ本当に不足しているのは、“雇われなくても生きていける武器”なのではないでしょうか。
65歳以降に本当に困るのは「収入」ではなく「選択肢」
実際に65歳以降の生活を見てみると、多くの人が「年金+貯金の取り崩し」で暮らしています。
生命保険文化センターの調査でも、「退職金や預貯金でしのぐ」人が7割を超えています。
他にも、配偶者や子供の援助、月5万円以下のパート労働などで補っている人もいます。
けれど、こうした生活は、体力や人間関係、そして老後の安心感において、決して持続可能とは言えません。
私は、将来、子供に頼ることはしたくありません。自分の足で立ち、自分の力で生きていきたい。
そしてそれは、「今のうちから準備すれば、誰にでも可能なこと」だと信じています。
多くの人がやっている“補い方”とその限界
「自分は老後、どれくらいお金が足りなくなるのか?」──この問いに答えるには、まずはモデルケースを知るのが一番です。
たとえば、こんな条件のご夫婦を想定してみましょう:
- 65歳以上の夫婦2人暮らし(無職)
- 住まいは都心から通勤1時間圏内の持ち家(ローン完済済)
- 管理費・修繕積立金あり(月3万円)
- 月1万円程度の診療・薬代あり
- 趣味はごく一般的(映画や読書、日帰りレジャーなど)
このような暮らしを想定すると、実際の支出は次のようになります:
- 食費:58,000円
- 光熱水道費:24,000円
- 保健医療費(診療・薬代含む):10,000円
- 教養娯楽費(一般的な趣味):20,000円
- 管理費・修繕積立金:30,000円
- 通信・交通費(スマホ・電車代・タクシー等):25,000〜30,000円
- 冠婚葬祭・交際費(お中元・孫へのおこづかい等):20,000〜30,000円
- 家事用品・雑費(洗剤、トイレットペーパー、美容院など):20,000円
合計支出:234,000〜242,000円/月
対して、厚労省が公表する「高齢夫婦世帯の平均年金受給額」は月21.8万円。
差し引きで毎月1.6〜2.4万円の赤字が想定されます。
この不足分をどう補うか?
多くの人は以下のような手段をとっています:
- 退職金や預貯金の取り崩し
- 65歳以降のパート勤務(スーパー、清掃、警備など)
- 子供からの仕送り
- 年金繰下げ(70歳まで受給を遅らせることで月額増)
- 個人年金・企業年金の活用
ですが、これらの方法は「今あるものを減らす」か「体力が続く限り働く」選択肢に偏っています。
だからこそ、月2万円の不足を、自分の中にある知識・経験で“稼げる構造”として補う発想が現実的になってきているのです。
副収入は、最初から大きな金額でなくてかまいません。
月2〜3万円を自分で稼げる「ひとつの手段」を、今のうちに持っておく──それだけで老後の安心感はまったく違ってきます。
「不安を減らす設計図」は意外とシンプルです
では、どうすれば良いのか?答えはシンプルです。
- まず、自分の年金受給見込みを「ねんきんネット」で確認する
- 生活費とのギャップ(不足額)を“月ベース”で可視化する
- その不足額をどう補うか?を考える
👉 例:月3万円不足 → 年36万円 → 週1日だけ働けば届くレベル - 「誰かに雇ってもらう」ではなく、「自分で価値を提供する」選択肢を一つ持つ
副収入は、月3〜5万円で十分。しかも、最初からうまくいかなくても大丈夫。
大切なのは、“ゼロからでも自力で作る”というマインドです。
自立している人生は、きっと老後も美しい。
「不安だから副業」ではなく、「自分を信じるために副収入」。
今日から、その設計を一緒に始めませんか?
この記事を書いた人|ミライジュウ
メディア関連企業の業務部長。ラジオ演出30年の経験を経て、
「50代からでも“1円を生む力”は育てられる」と信じて発信中。
毎朝4時起きでランニング・筋トレ継続中。
▶︎ 運営者プロフィールはこちら
コメント