「やるべきことができない」自分を責めてしまうあなたへ。脳を再起動する7ステップ(REWIRE)

「明日こそは早く起きて、資格の勉強をしよう」
「週末こそは、溜まっていた副業の準備を終わらせよう」

そう決意したはずなのに、気づけばスマホを数時間眺め、SNSのタイムラインを無目的にスクロールし、大したこともできずに1日が終わってしまう。

そして夜、暗い部屋でスマホの画面に映る自分の顔を見ながら、「なんて意志が弱いんだ」と自己嫌悪に陥りながら眠りにつく――。

もしあなたが今、そんな「怠惰の沼」の中にいるとしたら、まずこれだけは伝えさせてください。それは、あなたの「根性」や「人間性」が足りないからではありません。

現代社会には、私たちの脳を「受動的で無気力な状態」に固定してしまう巧妙な仕掛けが溢れています。スマホ一台あれば、努力せずともドーパミンが手に入り、脳は「現状維持が最も楽だ」と錯覚してしまいます。

今回は、カナダのクリエイターであり、現代人の無気力に警鐘を鳴らし続けるジョーイ・シュバイツァー(Better Ideas)が提唱した、脳を再起動させるための強力な指針「REWIRE(リワイヤ)」をご紹介します。

脳の配線を繋ぎ直す「REWIRE」のプロセス

ジョーイ・シュバイツァーのメソッドが世界中で支持されている理由は、それが「思考を変えろ」という精神論ではなく、「物理的な行動によって脳のスイッチを強制的に切り替える」という極めて即物的なアプローチだからです。

脳の配線(Wire)を繋ぎ直す(Rewire)ためのプロセスを順に見ていきましょう。

ステップ1:肉体を清めよ(セルフイメージの修復)

怠惰な状態が続くと、人は真っ先に身なりを構わなくなります。パジャマのまま過ごし、髪も整えない。「どうせ誰にも会わないし」という思考は、脳に「自分はどうでもいい存在だ」という強力な信号を送り続けます。

まずは、熱いシャワーを浴びて体を清め、清潔な服に着替えてください。これは単なる洗浄ではありません。「私は自分を整えるに値する価値ある存在だ」と、自分の潜在意識に宣言する儀式です。負のオーラを洗い流すことから、すべてが始まります。

ステップ2:空間を整えろ(支配権の回復)

「空間の乱れは心の乱れ」という言葉は真理です。散らかった机や床は、あなたが自分の環境に対するコントロール(支配権)を失っていることを視覚的に突きつけてきます。

ここで大きな掃除をしてはいけません。ハードルが高すぎてまた挫折するからです。「2分間だけ」と決めて、目の前のゴミを一つ捨てる、あるいは積まれた書類を揃える。これだけで、脳は「自分の世界を自分の意思で動かしている」という感覚を取り戻します。

ステップ3:家から出ろ(脳の覚醒)

家という空間には、脳にとって「リラックス」「退屈」「誘惑」という記憶が深く刻まれています。沼の中にいるとき、家はあなたを飲み込む檻になります。

目的がなくても構いません。一歩外に出て、視覚情報を強制的に変えてください。太陽の光、風の冷たさ、街の雑音。新しい刺激が脳に届くだけで、麻痺していた神経回路が覚醒し、思考が「探索モード」へと切り替わります。

ステップ4:汗を流せ(エネルギーの供給)

世界のトップパフォーマーたちがどれほど多忙でも運動を欠かさないのは、成功したから余裕があるのではなく、動くことでエネルギーを生成しているからです。

心拍数が上がると脳への酸素供給が増え、ドーパミンやセロトニンの働きが整います。気分、集中力、意欲は、座って待っていても湧いてきません。筋肉を動かし、汗をかくことで、脳の内側から湧き出させるものなのです。

ステップ5:(お金と時間の)流出を止めろ(生命力の保護)

「忙しいのに、やるべきことが終わらない」「将来のために貯金したいのに貯まらない」。もしそう感じるなら、あなたの生命力はどこかから漏れ出しています。

知らないうちに時間を吸い取る無駄なアプリ、惰性で続けている付き合い、事実を確認していない支出。これらを「数字」で客観的に把握してください。バケツの底の穴を塞がない限り、どれだけエネルギーを注いでもあなたは満たされません。

ステップ6:作戦を立てる(想像的緊張の活用)

「いつか自然に良くなる」という期待は、怠惰がつく嘘です。物事は計画なしには好転しません。地図を広げ、3ヶ月後にどうなっていたいのかを書き出してください。理想と現実の差を明確に認識したとき、脳内には「想像的緊張」というストレスが生まれます。脳はこの緊張を解消するために、あなたを「行動」へと突き動かします。

ステップ7:やれ(本物の声を信じる)

最後は、不安を抱えたままでいいので「動く」のみです。「自分にできるだろうか」という不安は、変化を拒む脳の防衛本能(ノイズ)に過ぎません。そのノイズを無視し、あなたの頭の中にある「このままでは終わりたくない」という本物の声を信じてください。

私が後から気づいた「REWIRE」の正体

ここで、私自身の話を少しさせてください。私は現在、業務部長として日々トラブルや調整に追われる毎日を過ごしています。かつては週末になると、ソファに倒れ込んだまま1日が終わるような、典型的な「沼」の住人でした。

転機は2017年、まず「習慣」を変えることに決めた時でした。それから毎日、ランニングの前に1時間の筋トレとストレッチを行い、5kmを走り抜く。この過酷とも言えるルーティンをやり続けていく中で、私はジョーイ・シュバイツァーの「REWIRE」に出会ったのです。

驚きました。「今の自分は、無意識のうちにこれができているじゃないか!」と。自ら課した肉体への負荷が、結果として脳の配線を書き換えていたのです。その余剰エネルギーが家計の管理や、定年後に向けたビジネスの準備へと私を導きました。部長という立場で定時に帰り、ポッドキャストやブログを継続できているのは、意志の強さではなく、後から知ったこの「再配線」の仕組みを、体が先に覚えていたからだと確信しています。

類書が教える「怠惰」の正体

このREWIREの考え方は、多くの古典や名著とも深く響き合っています。例えば、ジェームズ・クリアーの『Atomic Habits』では、最初の2分間をデザインすることで習慣化のルートに乗せる「2分ルール」が説かれています。

また、アンデシュ・ハンセンの『運動脳』では、運動がいかに科学的に脳をアップグレードさせるかが証明されています。これらの知恵に共通するのは、「感情はコントロールできないが、行動はコントロールできる。そして行動を変えれば、後から感情(やる気)がついてくる」という真理です。

最後に:2分だけ、何かを始めてみませんか?

もしこの記事を読み終えて、それでも「今はまだ動けない」と感じているなら、それはあなたのせいではありません。脳がまだ「沼」の心地よさに執着しているだけです。

そんなときは、難しいことを考えず、「2分だけ、目の前の机を片付ける」ことだけをやってみてください。あるいは、「シャワーを浴びる」だけでも構いません。その小さな物理的な動きが、停滞していたあなたのエネルギーを動かし、3ヶ月後の未来を変える最初の一歩になります。

50代からの人生は、決して「下り坂」ではありません。これまでの経験という膨大なデータを、新しい「自分自身のビジネス」や「生き方」へと再構成していく、最高にエキサイティングなステージです。

私は今、業務部長としての知見を活かし、スプレッドシートやGAS(Google Apps Script)を使った「自動化」の仕組みを多くの人に届ける準備をしています。これも、沼を抜け出し、作戦を立て、実行し続けた先にあった景色です。あなたの中にある「本物の声」は、今、何と言っていますか?その声を信じて、今日、何か一つだけ「REWIRE」を始めてみましょう。


【今日のアクションプラン】
1. スマホを置き、2分間だけ身の回りを整える。
2. 3ヶ月後の「理想の自分」を一行だけ紙に書く。
3. 明日の朝、外の空気を吸いに行く。

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