「管理職への打診……正直、罰ゲームだ」
「責任ばかり重くなって、現場のスキルが衰えるのが怖い」
今、ビジネス現場ではこうした「管理職忌避」の波が広がっています。しかし、私はあえて断言します。
管理職を引き受けることは、定年後の人生で若手起業家を圧倒するための“最強の仕込み”である、と。
これは単なる慰めではありません。20代・30代の若き成功者たちが必ずつまずく「組織の壁」を、無償(どころか給料をもらいながら)で突破するスキルを身につけるための、極めて現実的な生存戦略なのです。
1. 若き天才が「組織」の壁で自滅する理由
昨今、SNSやコンテンツビジネスで、20〜30代が若くして数千万円、数億円を稼ぎ出すケースは珍しくありません。彼らは個人の発信力やマーケティングセンスにおいて、50代よりも遥かに長けているでしょう。
しかし、彼らの多くはビジネスが順調に伸びた瞬間に、ある「致命的な壁」にぶち当たります。
それが「組織化の壁」です。
- 属人化の限界:自分が動かないと1円も稼げない状態から抜け出せない。
- 教育の失敗:自分の「感覚」を言語化できず、スタッフが育たない。
- マネジメント崩壊:チームの不満に気づかず、優秀な人間から離反していく。
- ガバナンス欠如:数字管理やコンプライアンスが甘く、一発で信用を失う。
彼らには才能がありますが、「他人を介して成果を出す」という泥臭いOSがインストールされていないのです。才能だけで押し切ってきた若手ほど、このフェーズで再起不能なダメージを負います。
2. 40〜50代会社員は「最強の起業予備軍」である
一方で、多くの40〜50代会社員が積み上げてきた経験を振り返ってみてください。これらは定年後のビジネスにおいて、若手が喉から手が出るほど欲しがる「希少資産」です。
- 理不尽な板挟みの中で、最善の落とし所を見つけた交渉力。
- やる気のない部下を動かし、プロジェクトを完遂させた統率力。
- 予算という「他人の金」を預かり、数字責任を背負った管理能力。
- 修羅場のトラブル対応で、泥を被りながら事態を収拾した完遂力。
これらは、若手起業家が数千万円の授業料を払い、数年かけて痛い目を見ながら学ぶ「経営の本質」そのものです。
50代の管理職は、このトレーニングを毎日「給料をもらいながら」行っています。あなたが「面倒だ」と感じている調整や教育こそが、定年後の個人ビジネスを「持続可能な事業」へと昇華させるための最強の武器になります。
3. 管理職の真の仕事は「残業をなくす仕組み」を作ること
「管理職になると忙しくなる」というのは大きな誤解です。もし忙しすぎるなら、それはまだ「現場職(プレイヤー)」の視点で動いているからです。
定年後を見据えた管理職の真のミッションは、「自分が現場にいなくても、勝手に成果が出る構造」を作ることにあります。
- 言語化:誰でも同じ成果が出る再現性のあるマニュアルを作る。
- 権限委譲:判断基準を明確に示し、部下に意思決定を任せる。
- 効率化:無駄な会議を削り、意思決定のスピードを劇的に上げる。
これを会社という「巨大な実験場」で試してください。
自分が動かなくても組織が回るようになれば、あなたには「暇」が生まれます。その暇な時間で、自分の未来のために学び、発信し、コンテンツを作る。「組織を自動化するスキル」を会社で磨き、浮いた時間を自分の副業準備に充てる。これこそが賢い50代の生存戦略です。
4. 会社は「辞めるため」に最大限使い倒せ
会社はもはや、あなたの老後を最後まで保証してはくれません。
だからこそ、マインドセットを「会社に尽くす」から「会社を使い倒す」へとシフトすべきです。
- 会社の予算で、新しいプロジェクトのシミュレーションをする。
- 会社の肩書きで、一個人では会えない層とネットワークを築く。
- 会社の部下を育てることで、人を動かす「言葉」の強度を上げる。
これらは、独立した後にゼロから手に入れようとすれば膨大なコストがかかります。50代で現場に固執し、若手と「作業スピード」で競うのは得策ではありません。それよりも、組織を俯瞰し、動かす「経営者OS」を完成させることに集中すべきです。
5. 50代は衰えではない。経営者OSを完成させる時期だ
体力的には若手には勝てないかもしれません。しかし、ビジネスを継続させ、スケールさせるために必要なのは「馬力」ではなく、「修羅場でも静かに決断する力」と「人を潰さずに生かす力」です。
これらは年齢を重ね、多くの失敗と成功を見てきた50代にしか出せない「熟成された武器」であり、若手が最も手に入れにくい資源です。
50代はキャリアの終盤戦ではありません。定年後の40年を、若手起業家よりも鮮やかに、そして安定して勝ち抜くための「最終仕込み期間」なのです。
今日からできる10分間の「未来投資」
今日、帰宅後にノートを一枚開いてください。履歴書を書くためではなく、「未来の事業計画書」の素材を集めるために。
- 自分が「他人を動かして」解決した最大の難題は何か?
- 自分が作った「仕組み」で、現場はどう効率化したか?
- 自分が責任を持った案件の「数字」と「成果」は?
- 自分が育てた部下は、今どんな役割を担っているか?
これらはすべて、あなたが独立した際に「組織構築コンサルタント」や「事業オーナー」として振る舞うための貴重なエビデンスになります。
管理職という立場を、重荷ではなく「最強の経営シミュレーター」として活用しましょう。その先に、若手には決して真似できない、自由で強固な定年後の人生が待っています。
管理職としての「今の悩み」を、将来の「ビジネスの種」に変換してみませんか? 具体的なエピソードがあれば、それをどう言語化すべきか一緒に深掘りしていきましょう。

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