50代から始めるAI活用とプログラミング|ChatGPTと学ぶ最初の一歩

「50代でプログラミングなんて、今さらできるわけがない」
「若い人がやるものでしょ、そもそも興味ないし」
──そう思っている方、多いんじゃないでしょうか。

実は私もそうでした。

でも、今の時代、ChatGPTのようなAIが「コードを書いてくれる」と聞いたとき、ふと思ったんです。

「だったら、僕でもいけるんじゃないか?」

IT活用・AIをテーマにブログを始めようと思っていた私は、「とりあえず体験してみよう」と思い立ちました。

ChatGPTが書いたコードを動かすだけ…のはずが?

調べてみると、Google Colab(コラボ)という無料ツールがあるとわかりました。
これは、Googleが提供しているクラウド上でPythonを実行できるノートブック形式のサービスで、パソコンに何もインストールせずにすぐ始められるという点が魅力でした。

しかも、ファイルの読み込みやデータ処理なども、ChatGPTのサンプルコードを貼るだけで動かせるとのこと。
「これなら自分でもできそうだ」と思い、さっそくGoogle Colabを開き、Pythonにチャレンジしてみることにしたのです。

……が、思った以上にすんなりとはいきませんでした。

  • ファイル名が長すぎてエラー
  • 全角スペースが原因でエラー
  • アップロードしたと思ったらファイルが消えていてエラー

3回連続で FileNotFoundError。
まさか「ファイルの名前」でつまずくとは思っていませんでした。

プログラミングは、「書くこと」より「考えること」

ほかにも色々なつまづき、やり直し、伝わらない、などあったのですが、今回の体験で、私はひとつ大きな学びを得ました。

プログラミングは、コードを書くことじゃなくて、「何をしたいのかを考えて伝えること」なんだ。

ChatGPTは、確かにコードをどんどん書いてくれます。
でも、「何がしたいのか」「どこで困っているのか」を自分の言葉で説明できないと、AIは本当の意味で助けてくれません。

これは、会社で部下に業務を依頼するときと同じです。

「ちょっとこれ、やっといて」と丸投げするのではなく、

  • 誰が何に使う資料なのか?
  • どういう完成形をイメージしているのか
  • そもそもなぜそれをやるのか(背景や目的)

という文脈(コンテキスト)をしっかり伝えないと、部下も迷いますし、やる気も下がってしまう。

AIに対しても同じで、「伝え方次第」でアウトプットの質が変わるんです。
ある意味で、AIも優秀な部下。だけど、その力を発揮させるには、こちらの準備が必要だと痛感しました。

ちなみに──
ChatGPTに「ありがとうございます」や「よくわかりました!」といった言葉をかけると、出力の質が上がることがあるってご存じでしたか?

これは単なるマナーの話ではなく、AIの仕組みに関わる話です。

なぜ「ありがとう」が意味を持つのか?

理由1:「ありがとう」が含まれると“人間らしい”文脈と判断されやすくなる

ChatGPTは、会話文や対話文を大量に学習しています。
「ありがとうございます」「助かります!」「なるほど」などの表現が含まれることで、“人間との自然なやりとり”のパターンに近づき、その後のリクエストや質問に対しても、より流れに沿った回答が返ってきやすくなるのです。

✔ ポイントは、「AIが褒められて喜んでいる」わけではなく、文脈の明瞭さが増すことで応答の質が高まるという点です。

理由2:前後の「空気感」が丁寧になることで、誤解されにくくなる

たとえば、同じ要望でも以下のような差があります:

  • 「もっと分かりやすく書いて」→ 少し強めの印象
  • 「ありがとうございます!もし可能なら、もう少し分かりやすく書いてもらえますか?」→ 丁寧でスムーズ

人間同士のやりとりでもよくありますが、「前置き」や「相手を思いやる一言」があるだけで、相手の受け取り方が変わる。ChatGPTに対しても、それが“文脈”として作用するのです。

理由3:ChatGPTでは「会話の履歴」も含めて生成されるから

ChatGPTは、単に1つの質問に答えているわけではなく、過去の会話の流れ=履歴(コンテキスト)も考慮して応答を生成しています。

「この人は常に丁寧にやりとりするな」とAIが判断すれば、それに合わせた丁寧かつ情報豊富な応答を生成しようとする傾向が生まれるんです。

このことからも、AIと良い関係を築くには、部下とのマネジメントと同じで「丁寧な文脈設計」が不可欠だと感じます。

コンフォートゾーンから一歩外へ

正直言って、最初は「ChatGPTが全部やってくれるなら、楽勝だろう」と思っていました。
でも、やってみてわかったのは──

「学び」は、自分の頭で試して、少しずつでも失敗を重ねながら前に進むものだということ。

これはまさに、「コンフォートゾーン(安心領域)」を抜け出して、
「ラーニングゾーン(学び領域)」に踏み込んだ感覚です。

補足:コンフォートゾーンとは?

人間が不安やストレスを感じずにいられる安全な場所のこと。
でもそこにずっといても、成長はない。

逆に「ラーニングゾーン」に入ると、多少の不安や戸惑いはあるけれど、新しいことを吸収する余白が生まれます。

だからこそ「まずやってみる」

50代でも、60代でも、「もう遅い」なんてことはありません。

私は今回、PythonやColab、ChatGPTを使って、ほんの少しだけ“動く”ことができました。
もちろん、これですべてできるようになるわけじゃありません。でも、1つ行動を起こすたびに、少しずつ景色が変わっていく実感があります。

失敗してもいい、わからなくてもいい。でも、やってみよう。

これからも、そんな気持ちで「IT × 学び直し × AI活用」を発信していきたいと思います。

この記事を書いた人|ミライジュウ

メディア関連企業の業務部長。ラジオ演出30年の経験を経て、
「50代からでも“1円を生む力”は育てられる」と信じて発信中。
毎朝4時起きでランニング・筋トレ継続中。
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