なぜ私は“情報発信”という言葉を選んだのか?|50代からの発信に必要な視点とは

誰も「情報発信をしたい」とは言わなかった

YouTubeを始めたい、ブログで稼ぎたい、SNSを伸ばしたい——そんな言葉はよく聞きます。

実際、私自身も50代からブログを始め、副業や情報発信に取り組むようになりました。しかしふと振り返ると、「情報発信をしたい」と言う人には、ほとんど出会ってこなかった気がします。

かつてラジオ局でディレクターをしていた頃も、「情報発信」という言葉を使うことはありませんでした。あったのは「ニュース番組」「情報バラエティ」といった番組カテゴリー。それは、誰に・何を・どう届けるかを考えるのが当たり前すぎて、「情報発信」という言葉をあえて使う必要がなかったからです。

けれど今、私はあえてこの言葉を使いたいと思うようになりました。YouTubeやSNSなどの媒体名ではなく、自分の思いや経験を、誰かに届けようとする行為そのものを「情報発信」と呼びたいのです。

それは、表現手段に縛られず、自分の在り方を言葉にして届けるという、より本質的な営みだと感じているからです。

「やり方」から入ると、途中で見失うもの

多くの人が「YouTubeをやりたい」「ブログで収益化したい」といった“やり方”から発信を始めます。これは自然なことで、悪いことではありません。

ただ、そのままの勢いで走り続けると、途中で「なぜやっているのか」がわからなくなる人も少なくないのです。

たとえば、数字に振り回されたり、ネタが思いつかなくなったり、自分の軸がブレたりします。私も同じ経験をしました。更新を義務のように感じ、本当に伝えたかったことがぼやけてしまったのです。

そんなとき、立ち返るべきは「誰に」「何を」「なぜ届けたいのか?」という問いです。つまり、やり方よりも“意図”が大切なのだと気づきました。

情報発信とは、方法ではなく意志から始めるもの。そしてその意志こそが、長く続けるためのエンジンになります。

情報発信とは「誰かに届く設計」をすること

私は、情報発信とは「自分の内側にある考えや経験を、誰かに届くかたちに整える行為」だと考えています。

ただ書く、ただ喋るだけでは、情報発信にはなりません。そこに「誰かに届けたい」という意図と設計があって、初めて伝わるコンテンツになります。

ラジオ時代は、構成やナレーション、BGMの使い方にいたるまで、すべて「伝わるための演出」でした。当時はそれを職業として無意識にやっていましたが、今は自分のブログでも、同じように考えて言葉を選んでいます。

形式はなんでもいいのです。ブログでも、音声でも、SNSでも。「何を伝えたいのか」「誰に届けたいのか」という視点があれば、それは立派な情報発信です。

そしてこれは、50代・60代の方が人生経験を活かして新たなチャレンジをする際に、とても相性のいいアプローチだと感じています。

パワーポッドキャストに学んだ“再現可能な発信力”

最近、「パワーポッドキャストの作り方」という音声講座を聞きました。ポッドキャストという音声メディアに特化した内容ではありますが、そこには情報発信全体に通じるエッセンスが詰まっていました。

自分の棚卸しをすること、届けたい相手像を設定すること、話す順序を設計すること。これらはすべて、発信を「誰かに届くかたち」に整えるための技術です。

こうした考え方は、ブログやSNSにもそのまま応用できます。むしろ、文章にこそ必要だと感じます。

特に印象的だったのは、「自分というメディアを持つ」という考え方。どんなプラットフォームであっても、自分の声、自分の視点で届ける力があれば、形はあとからついてくる——それが情報発信の土台になると確信しました。

だから私は、「情報発信」という言葉を使いたい

私は、YouTuberでも、インフルエンサーでも、ライターでもありません。でも、自分の経験や知識を誰かに届けようとする“意思”は持ち続けています。

だからこそ、あえて「情報発信者」という言葉を使いたい。

「情報発信」は、メディアに限らず、人と人との間に信頼をつくる営みでもあります。それは声高に語るものではなく、小さな気づきや体験を分かち合う行為です。

そして、発信とは感謝の循環でもあります。誰かの発信に救われたことがあるからこそ、自分も何かを返したい。そんな気持ちから始まる自然な行動です。

50代・60代からでも、自分の思いや経験を誰かの役に立つかたちで伝えることはできます。

だから私はこれからも、「情報発信」という言葉を大切に使っていきます。

この記事を書いた人|ミライジュウ

メディア関連企業の業務部長。ラジオ演出30年の経験を経て、
「50代からでも“1円を生む力”は育てられる」と信じて発信中。
毎朝4時起きでランニング・筋トレ継続中。
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