まず“お客さんの成功”を考える|カスタマーサクセスが成果につながる理由

「自分の商品を売りたい」「稼げるようになりたい」
そう思って始めたはずの活動が、なぜかうまくいかない。
そんな経験はありませんか?

その理由のひとつに、“相手の成功”が抜けていることがあります。

誰かに商品を届けたい。
でもその前に、「この人がどんな未来を望んでいるのか?」「どうなったら成功なのか?」を
ちゃんと考えているでしょうか?

私はラジオディレクターとして、長年「リスナーがどう受け取るか?」を意識して番組を作ってきました。
この視点は、どんな仕事にも、そして副業やサービス提供にも通じる本質だと感じています。

カスタマーとクライアントの違いを知る

そもそも、「お客さん」と一言で言っても、立場や関係性には違いがあります。
ビジネスではよく「カスタマー」と「クライアント」という言葉が使われますが、
この違いを意識することがとても大切です。

◆ カスタマー=一度きりの購入者

カスタマー(Customer)は、商品やサービスを“購入する人”。
つまり、売り手との関係は「売った瞬間に終わる」ことが多いです。
スーパーやコンビニでの買い物のように、一度で完結する取引が典型です。

◆ クライアント=継続的に支援する相手

一方、クライアント(Client)は、より深く、継続的な関係を前提とした“依頼人”。
コンサルティング、講座、サポートなど、「相手の成果に責任を持つ関係」がクライアントとのつながりです。

◆ 成功する人は「クライアント思考」を持っている

「売ること」がゴールになってしまうと、どうしても“自己中心”な発信になります。
でも、「相手の成功が、自分の成果になる」という意識に変わると、
伝え方も、関わり方も、提供の質もまったく変わってきます。

なぜ“相手目線”になれないのか?

「お客さんのために」と言いながら、
実際には自分のことばかり考えてしまう――これは多くの人にとって自然な反応です。

特に、サービスを始めたばかりの頃や、成果を出したい焦りがあるときほど、
“売りたい気持ち”が先行しがちです。

◆ 「売ること」が目的になると伝え方がズレる

自分の実績を強調したくなる
商品のメリットを一方的に並べてしまう
相手が“どうなりたいのか”を置き去りにしてしまう

これでは、どれだけ素晴らしい内容でも、相手には響きません。
相手は「商品」ではなく「自分の未来」に興味があるからです。

◆ 自分の中の「基準」を切り替える

「この商品をどう売るか?」ではなく、
「この人が望む未来にどう貢献できるか?」と考えるだけで、
言葉の選び方も、説明の順番も、自然と変わってきます。

不安を先に共有する
小さな変化を一緒に喜ぶ
問いかけを通して“自分ごと”にしてもらう

相手の「心の風景」を想像しながら届けることが、
本当の意味で“伝わる”発信につながっていきます。

ラジオ演出に学ぶ“相手を置いていかない伝え方”

私はラジオディレクターとして、
情報バラエティ番組の構成や演出を30年以上手がけてきました。

その中でずっと意識してきたのは、「聴いている人を置いていかないこと」です。

◆ 盛り上がっているのは“内輪”だけ?

スタジオの中は、出演者もスタッフも慣れた空気。
会話もテンポもいい感じに進んでいる…でも、ふと冷静に考えてみると、
リスナーだけが取り残されてしまっていることがあります。

◆ 台本を書くときは「聞き手の視点」がすべて

この話はなぜ始まったのか?
いま、リスナーはどこにいる?
この展開に、ついてこられているか?
どう感じてほしいか?問いかけているか?

「どんな場所で、どんな気持ちで聴いているか」を想像してきました。
これはそのまま、ブログでも、サービス提供でも大切なことです。

◆ 発信とは「相手と一緒に歩くこと」

文章を書くときも、商品を紹介するときも、
大事なのは「今、この人と、同じ場所に立っているか?」ということ。

「どうしてこの話になったの?」
「私にはどう関係あるの?」
読者やクライアントの心の声を想像して、
その都度、橋をかけながら進む。

それが、“相手目線”であり、“信頼される伝え方”なのです。

「ベネフィット」こそが、お客さんの“成功”

商品やサービスの説明をするとき、私たちはつい「特徴」や「機能」を詳しく伝えたくなります。
でも、相手が本当に知りたいのはそこではありません。

お客さんが求めているのは、「それで自分がどう変われるのか?」という未来です。

◆ ドリルと穴の話

有名なたとえ話があります。

人はドリルが欲しいのではない。
“穴を開けたい”のだ。

つまり、お客さんは「その商品がどうすごいか」ではなく、
「その商品で何が実現できるか」を知りたがっているのです。

◆ ベネフィット=手に入る未来

この「手に入る未来」こそが、ビジネスでいうベネフィットです。

サービスや商品の“先”にある変化こそが、相手が求めているもの。

◆ ニーズとウォンツの違い

ニーズ: 解決すべき課題
ウォンツ: 顕在化している欲求

本当の望みは、目に見える欲求の奥にあります。
「お客さんの言葉の裏にある“願い”」を見つけることが大切です。

まとめ

売るために必要なのは、商品の魅力を押し出すことではなく、
「相手がどうなりたいのか」に本気で寄り添うことです。

その視点に立てたとき、
自然と「伝え方」「関わり方」「届け方」が変わります。

まずは、小さくてもいい。
誰かの“成功”を一緒に作るところから始めてみませんか?


この記事を書いた人|ミライジュウ

メディア関連企業の業務部長。ラジオ演出30年の経験を経て、
「50代からでも“1円を生む力”は育てられる」と信じて発信中。
毎朝4時起きでランニング・筋トレ継続中。
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