学んだのに、なぜか言葉にできない──その違和感の正体
資格って、取るまでは頑張れるんです。
目標があるし、試験日も決まってるし、「やるしかない」モードに入れるから。
私もそうでした。
簿記2級は会社で必要だったから取りました。
それに続いて、ブログで発信してみようと思い立って、FP2級も勉強して取りました。
自分なりに「よし、学んだぞ!」という手応えもあったんです。
……でも、そこから先が動かなかった。
資格はある。知識もある。だけど、何を書いていいのか分からない。
誰に向けて、どんな言葉で、どんな風に伝えればいいのかが見えない。
本当に、「知ってるはずなのに話せない、書けない」って、あるんですよね。
今振り返ると、それって「学びがまだ自分の中に落ちてなかった」ってことだったんだと思います。
知識は“頭”にあるのに、それが“行動”や“言葉”にまでつながってなかった。
だからブログを書こうとしても、手が止まってしまう。
そして、これは私だけじゃなくて、同じような悩みを抱えてる人が本当に多いんです。
「勉強してるのに、結果につながらない」
「自己投資してるのに、何も変わらない」
そんな違和感を感じてるとしたら、もしかすると“ある一つの視点”が抜けているのかもしれません。
「学びが行動につながらない」本当の理由
そもそも、なんで私は発信できなかったのか。
学んだことを人に伝えようとしても、なぜあんなに言葉が出てこなかったのか。
今ならわかります。
それは、目的と「問い」がなかったからです。
FPを取ったとき、「老後の不安に強くなりたい」とか「お金の知識を身につけたい」という想いはありました。
でも、「その知識を誰にどう使うのか?」までは考えていなかったんです。
これって意外と多くの人がハマる落とし穴で、
たとえば読書でも「良いことが書いてあったな」で終わってしまう。
セミナーでも「やる気出た」で終わってしまう。
つまり、“インプットだけ”で満足してしまう。
でも実際は、インプットよりも大事なのは、それを「どう使うか」を考えること。
そのときに必要なのが「問い」です。
- なぜ、私はこれを学ぶのか?(Why)
- この学びを、どう使えるのか?(How)
- そもそも、何を学んでいるのか?(What)
この3つの視点を意識するだけで、学びの質は大きく変わります。
よく「ゴールデンサークル理論」ってありますよね。
あれは情報を伝える順番の話だけど、私は学ぶときにも使えると思っていて。
最初に「Why(なぜ)」を意識することで、自分の感情や価値観とつながる。
次に「How(どうやって)」を考えれば、行動のイメージが湧く。
最後に「What(なにを)」が定まる。
順番が逆だと、「何を学ぶか」は分かっても、「なぜ学ぶのか」が抜けてしまって、行動に移らないんです。
学びが“ただの自己満足”で終わってしまうのは、
この「Whyの欠落」が原因なんじゃないかと、私は思います。
つまり、「なんとなく勉強した」「なんとなく資格を取った」では、
どれだけ時間やお金をかけても、“変化”にはつながらないということ。
でも逆に言えば、たった一つの問いで、学びの意味がガラッと変わることもあるんです。
「問い」を立て直せば、学びは“使える知識”に変わる
知識って、ただ覚えるだけでは使いこなせません。
覚えているはずなのに、行動に移せないのは、
その知識がまだ「自分の言葉」になっていないからです。
じゃあどうすれば、学んだことをちゃんと使えるようになるのか。
そのカギになるのが、「問いを持って学ぶ」という姿勢です。
たとえば、FPの勉強をしているときに、
「この制度はこうなっている」と知識を覚えるのも大事だけど、
それだけだと“情報の保管”で終わってしまう。
でも、こう問いかけてみるとどうでしょう?
- 「この内容って、自分の親の老後に関係してるんじゃないか?」
- 「自分が相談されたら、どう説明するだろう?」
- 「もしこれをブログに書くとしたら、どういう切り口がいいか?」
そうすると、一気に視点が変わってくるんです。
他人事だった知識が、急に“自分ごと”になる。
ただの暗記だった内容が、“誰かに役立てる知識”になる。
この「自分の中で学びを再構築するプロセス」が、
まさに“使える知識”へのアップデートだと思っています。
しかもこのやり方って、何か特別なスキルが必要なわけじゃないんです。
ただ、「問いを立てながら学ぶ」だけ。
最初から完璧な問いじゃなくていい。
むしろ、「なんでこれ、必要なんだろう?」くらいの素朴な疑問のほうがいい。
そこから自分で考えるクセがつくと、学びは一気に立体的になっていきます。
私がそうだったように、「学んでも動けない」と感じていた人ほど、
この“問い直す習慣”を持つだけで、景色が変わり始めるはずです。
「ただの勉強」が“自分の武器”に変わった瞬間
FPの勉強をしていたとき、正直なところ、最初は「試験に合格すること」しか考えていませんでした。
とにかく過去問を解いて、出題傾向をつかんで、暗記して……。
それで点が取れればOK、という感覚です。
でも、途中からなんとなく違和感が出てきたんです。
「これ、本当に身についてるのかな?」
「合格して、それで何ができるんだろう?」
そんなことを考えていた頃、ちょうど両親の老後について話をする機会がありました。
父は高齢で体調を崩しがち、母も少しずつ生活の負担が大きくなってきている。
ふと、「自分が学んでることって、まさにこの状況に関係あるんじゃないか?」と思ったんです。
それまで「年金の繰り下げ」とか「介護保険」といった項目は、
試験対策としてしか見ていませんでした。
でも、このときから「自分の親だったらどうする?」という視点で読み直してみたんです。
すると、まったく同じ内容でも、感じ方が変わりました。
「繰り下げって、父には向かないかもしれないな」
「この特例は、母が該当する可能性がある」
「ここ、ブログに書いたら、同じように悩んでる人のヒントになるかも」
知識が、試験対策から“自分ごとの情報”に変わった瞬間でした。
しかも面白いのは、そうやって“使う前提”で読み直すと、理解も深まるということ。
ただの暗記じゃないから、自然と定着するんですよね。
この体験をきっかけに、私はこう考えるようになりました。
「アウトプット前提で学ぶだけで、理解度が変わる」
「“誰かの役に立てる”と思った瞬間に、知識は行動につながる」
つまり、勉強した内容を「どう自分に関係させるか」、
そして「どう誰かに伝えようとするか」が、本当の意味での“使える学び”を生み出すんだと。
だから今は、勉強したら必ず問いを立てるようにしています。
- これは、自分の人生にどう使えるか?
- これを必要としている人は、どんなことで悩んでるか?
- 自分の言葉で書くなら、どんな切り口にするか?
そうすると、自然に発信のネタにもなるし、
なにより「学ぶ意味」が腹落ちしてくるんです。
きっかけは、ほんの小さな違和感でした。
でもその違和感に気づいたことで、
「ただの勉強」が、やっと“自分の武器”に変わり始めたんです。
学びを“成果”に変えるには、「問い」と「再構築」がすべて
学びって、ただの情報収集ではないんですよね。
私たちは、学ぶことで“未来の自分”を変えたいと思っている。
だからこそ、知識が「使えないまま」になっていると、どこかむなしい。
「学んでいるのに、何も変わらない」
その感覚って、誰かに相談しづらいけど、じわじわ効いてくるんです。
でも、それを突破する方法は、実はすごくシンプル。
問いを持って学び、学びを自分の中で再構築すること。
たとえば──
「この知識、誰の役に立てるだろう?」
「今の自分のどんな課題に使えるだろう?」
「実際にやってみると、何がわかるだろう?」
こうやって、学んだことを“使う前提”で考えてみる。
すると、理解が深まるだけじゃなくて、「行動したくなる」気持ちが湧いてきます。
たとえ最初はうまくいかなくても、小さく発信してみる。
友人に話してみる。ブログに書いてみる。
その一歩一歩が、自分の中の“使える知識”を育てていくんです。
私もまだまだ「学び途中」の人間です。
でもひとつだけ確信しているのは、
「学びを成果に変える人」は、問いを持ち続けているということ。
「なぜ、これを学ぶのか」
「どうやって、誰に伝えるのか」
そこに立ち返ることで、学びは知識で終わらず、
未来をつくる力に変わっていきます。
もし今、「学んでいるのに前に進まない」と感じていたら、
それはきっと、あなたの“本当のスタート地点”が見えてきたサインです。
この記事を書いた人|ミライジュウ
メディア関連企業の業務部長。ラジオ演出30年の経験を経て、
「50代からでも“1円を生む力”は育てられる」と信じて発信中。
毎朝4時起きでランニング・筋トレ継続中。
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