「幸せを感じにくい時代」を生きる私たちへ
どれだけ頑張っても、どれだけ手に入れても、「なんとなく満たされない」。
そんな感覚を抱えていませんか?
お金も自由もそこそこあるのに、心だけが置き去りになっている──。
この感覚、実は現代を生きる多くの人が抱えている“幸福の空洞”です。
私たちは「もっと上へ」と努力してきた世代です。
でも、ふと立ち止まった瞬間に、「これでいいのか」と自分を疑う。
努力しても幸福を感じられないのは、自分の欠陥ではありません。
ただ、幸福の構造を知らないだけです。
そんな中、YouTubeチャンネル「みかみ【東大退学させられた男】」で語られた
天才編集者・箕輪厚介さんの言葉が、多くの人の胸を刺しました。
「楽しいことばかりしてるのに、心が空っぽなんです」
この発言にドキッとした人は多いでしょう。
成功しているはずなのに、なぜか満たされない──。
この“幸福の罠”をどう抜け出すか。
その答えを、三上氏という人物が提示しました。
彼が語ったのは、幸福を5つの要素に分解し、それが循環して初めて持続的な幸せになるという理論。
つまり、幸福は「手に入れる」ものではなく、「回し続ける」ものだというのです。
この考えを知ったとき、私はハッとしました。
幸福は偶然の産物ではなく、設計できるサイクルなのだと。
幸福を構成する5つの歯車
三上氏の理論では、幸福は5つの要素で成り立っています。
それぞれが次を呼び込み、止まらない循環をつくる。
- 欲求の解消(Discharge of Desire)
行動の原動力。だが、満たし続けるだけでは「飽き」がくる。 - 意義性(Significance)
「自分の行動に意味がある」と感じる瞬間。これが欠けると虚無が訪れる。 - 没頭(Immersion / Flow)
何かに夢中になっている状態。結果を求めず、行為そのものが報酬になる。 - 成長実感(Sense of Growth)
昨日より少し進歩している感覚。停滞を防ぐエネルギー。 - 関係性(Relationship)
幸福の根っこ。人とのつながりがあるから、他の4つが意味を持つ。
箕輪さんの「空虚感」は、まさにこの1つ目だけで止まっていた状態。
欲求は満たされても、意義や成長が欠けていたのです。
幸福の土台は「関係性」にある
マズローの欲求5段階説では、「所属と愛の欲求」は中間層。
しかし、三上氏はそれを最下層──幸福の根源に置き換えました。
理由は明快です。
安心も承認も成長も、すべては「誰かとの関係」を前提にしている。
孤独のままでは、欲求そのものが機能しない。
さらに彼は言います。
「関係の質」を決めるのは、深さではなく長さ(継続性)だと。
どんなに濃い時間でも、それが一瞬で終われば代替可能な関係でしかありません。
一方で、長く続く関係には「唯一性」が宿ります。
派手な出来事がなくても、積み重ねた時間が「この人しかいない」と思わせる。
ここで、三上氏はこう定義します。
「愛とは、唯一だと信じること」。
愛とは一瞬の感情ではなく、時間をかけて信じ続ける意志。
誰かと時間を重ねるということは、「この人となら」という未来を信じる行為です。
その“信じ続ける意志”がある限り、人は孤独を感じにくくなります。
だからこそ、長い関係性こそが幸福の根幹なのです。
関係を続ける“宗教的ルール”とは
では、どうすれば長い関係を築けるのか。
三上氏はそれを“宗教的ルール”と呼びました。
「自分の感情より、相手への価値提供を優先すること」。
自分の快楽を優先する行動は、短期的には心地よい。
しかし関係を摩耗させ、幸福の循環を止めてしまう。
一方、相手にとっての「プラス」を考え、与えることを喜びに変えれば、
信頼と感謝が生まれ、幸福の歯車は回り続ける。
幸福とは、与えることから始まる利他的な循環なのです。
幸せを回す4つのステップ
「関係性」を土台に、4つの内的要素を積み上げていく。
この順序を意識するだけで、幸福のサイクルは動き続けます。
- 意義性を見つける
「なぜ自分はこれをやっているのか?」を問い直す。
行動に意味を見いだせた瞬間、苦労は“使命”に変わる。 - 没頭する
意義ある行動に全意識を注ぐ。結果を待たず、行為そのものを楽しむ。 - 成長を感じる
少し背伸びした挑戦をする。達成した瞬間、幸福がリセットされる。 - 関係を深める
自分を支えてくれる人との関係を丁寧に育てる。
幸福のサイクルは、ここから再び回り出す。
幸福の循環は、筋トレに似ています。
一度やって終わりではなく、鍛えて・休んで・また挑戦する。
その繰り返しの中で、心も強く、しなやかになっていくのです。
幸福を完成させる「勝ち提供総量」の法則
三上氏が示したキーワードがあります。
それが、「勝ち提供総量を増やすゲーム」。
幸福の起点は、常に「価値提供」。
人に与えた“勝ち”の総量が、自分に返ってくる。
- 価値提供が増えれば、欲求が満たされる。
- Win-Winの関係が生まれ、関係性が強化される。
- 関係性があるからこそ、意義を感じる。
- 意義があるから、没頭できる。
- 没頭が、成長をもたらす。
- 成長した自分が、さらに価値を提供できる。
幸福は、もらうものではなく“回すもの”。
あなたが誰かの「勝ち」を増やした瞬間、幸福の歯車は静かに動き出します。
結論:幸福は「設計」できる
幸福とは、待つものでも探すものでもない。
設計して動かすもの。
今日、あなたの半径3メートルの誰かを、少しだけ喜ばせてみてください。
それが、幸福のサイクルを回す最初の一手になります。
幸福は「行動の設計」から生まれる。
その設計図は、すでにあなたの手の中にあるのです。
この記事を書いた人
ミライジュウ
メディア関連企業の業務部長。ラジオ演出30年の経験を経て、
「50代からでも“1円を生む力”は育てられる」と信じて発信中。
毎朝4時起きでランニング・筋トレ継続中。
▶︎ 運営者プロフィールはこちら
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