「この商品、もっと高く売ってもいいのかな…」
「私なんかが、お金をもらっていいのかな…」
そんなふうに、“お金を受け取ること”にためらいを感じる人が少なくありません。
今は、自分の経験やスキルを商品にできる時代です。
SNSやブログで価値を発信し、それを必要とする人に届けられる時代。
にもかかわらず、「高くて申し訳ない」「売るのが悪いことのように感じる」という声が後を絶ちません。
それはもしかすると、「お金=悪いもの」という深い刷り込みが関係しているのかもしれません。
なぜ“お金をもらうこと”に罪悪感があるのか?
私たちが成長してきた社会には、
「お金は苦労して、働いた分だけもらうもの」という価値観が根付いています。
たとえば、時間をかけて肉体を使って働くことが「正しい」とされ、
逆に、短時間で稼げる・知識で稼げるような働き方には、
どこか“ズルい”という印象がついてまわる。
◆ メディアが前提にしているのは「一般労働者」の価値観
この価値観は、テレビやラジオなどのマスメディアを通じて、
知らず知らずのうちに私たちの中に刷り込まれてきました。
なぜなら、視聴率や聴取率をとるためには、
多数派=一般労働者の感覚に寄り添った内容を作らなければならないからです。
そして、番組の収益はスポンサー頼り。
スポンサーが好むのも、マジョリティに好かれるコンテンツです。
その結果、「お金をたくさんもらっている人=悪いことしてそう」
「高級なもの=見栄っ張り」など、お金に対するネガティブなイメージが形成されやすくなりました。
かつて私も「安く売ることが正義」だと思っていた
「高く売るのは、お客さんに悪いこと」
私自身も、かつてそう思っていた一人でした。
◆ アイドルのコンサートでの出来事
ある時、私は新人プロデューサーとして、
アイドルのコンサートを担当することになりました。
コンサート開催日が近づき、会場ロビーで販売するブロマイドの価格設定を任された私は、
「できるだけ安くしよう」と考えました。
「高すぎたら、お客さんに申し訳ない」
「ファンの人に喜んでほしい」
そんな気持ちで、ギリギリまで値段を下げようとしたのです。
◆ 上司のひと言で目が覚めた
そのとき、上司にピシャリと言われました。
「それはむしろお客さんに失礼だぞ」
「このブロマイドは、“価値がある”からこそ、みんなが欲しいんだ」
「それを安く売ったら、“価値がないもの”に見えてしまうだろ」
私は、お客さんを思っているつもりで、
「この商品には大した価値がない」と、自分で言ってしまっていたのです。
◆ 「売る」ことは「信じる」こと
それ以来、私はこう考えるようになりました。
- 適正価格で売る=自分の提供する価値を信じること
- 安すぎる価格=自分を安売りしている証拠
- そしてそれは、買う側に対しても失礼
「その価値にふさわしい価格か?」が大切なのです。
“価値”に見合った金額をつけることは、信頼の証
「商品に値段をつける」とは、
自分の提供する価値を自分で認める行為であり、
同時に、お客さんを信じる行為でもあります。
◆ 安すぎる値段は、かえって不信感を生むことも
その価格が極端に安かったら、どう感じるでしょう?
- 「本当に効果あるのかな…?」
- 「内容が薄いのでは?」
- 「なんでこんなに安いんだろう…?」
安さはときに「不信感」を生むのです。
◆ 適正価格は、お互いにとって誠実
「私はこの商品に自信があります」
「あなたにとって、この価格に見合う価値を提供できます」
価格とは信頼の現れでもあるのです。
◆ お金=感謝の対価
お客さんの人生を少しでも前に進めたのなら、
その対価として受け取るお金は、堂々と胸を張っていい。
罪悪感を手放すための視点
◆ “与える”の延長線上に“受け取る”がある
あなたが提供しているものは、
誰かの悩みを解決し、願いを叶え、人生を前に進めるものです。
それを届けるために、時間も労力も、経験も注いできたはず。
「受け取ること」も自然で、必要な循環なんです。
◆ お金は「価値の交換」
お金は、“悪”でも“欲”でもありません。
それは、「ありがとう」「助かったよ」という想いの形です。
◆ 自分の価値を、もっと信じていい
「この値段で買ってくれるかな…」と迷うとき、
一番疑っているのは、お客さんではなく、自分自身かもしれません。
むしろ、安く扱うことの方が、価値に対して失礼かもしれません。
まとめ
お金を受け取ることは、悪いことではありません。
それは、価値と価値の交換であり、信頼と感謝の循環。
あなたの商品やサービスに、本気で価値を感じてくれる人に対して、
ふさわしい価格で届けることは、誠実で力強い行動です。
罪悪感ではなく、自信と誇りを持って、
「価値あるものを、価値に見合った形で届ける」。
その姿勢が、信頼され、選ばれる人になる第一歩です。
この記事を書いた人|ミライジュウ
メディア関連企業の業務部長。ラジオ演出30年の経験を経て、
「50代からでも“1円を生む力”は育てられる」と信じて発信中。
毎朝4時起きでランニング・筋トレ継続中。
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