理解しているかどうかが学びを左右する
「知っている」と「理解している」は、学びの場面でよく混同されます。
しかし実際には、この二つの間には大きな違いがあります。
Microsoftのエンジニアであり『世界一流エンジニアの思考法』の著者でもある牛尾剛さんは、
「バイブコーディングは理解の促進である」と語ります。
ここでいうバイブコーディングとは、生成AIに自然言語で“雰囲気”を伝え、
そこからコードを生み出していく新しい開発スタイルのことです。
従来のように1から論理的に設計するのではなく、
「こういう感じの処理をしたい」「こんな画面を作りたい」と伝えることで、
AIがそれをコード化してくれる。
人間とAIが協働することで、アイデアを素早く形にできるのが特徴です。
牛尾さんが強調しているのは、このプロセスそのものが
「理解の促進」につながるという点です。
コードをAIに書いてもらうだけなら受け身になりがちです。
しかし「自分が何を作りたいのか」「どう動かしたいのか」を
AIに伝える過程で、自分の理解が試されるのです。
問題は「解けるか」より「理解できるか」
多くの人が学びの中でつまずくのは、知識を取り込んだはずなのに実践で使えないことです。
資格試験の勉強、プログラミング、あるいは新しいツールの習得――どの場面でも同じです。
テキストを読み、知識を暗記しても、それだけでは定着しません。
「なぜそうなるのか」を理解し、自分の言葉で説明できる状態にならなければ、
その知識は活用できないのです。
ここでアウトプットが決定的に重要になります。
人に説明しようとした瞬間、自分の理解の穴に気づくからです。
私自身もChatGPTを使ってGoogleスプレッドシートのスクリプトを書いてもらうことがよくあります。
ここで言う「スクリプト」とは、プログラミングで書かれる命令(コード)のうち、
比較的小規模で、自動化や補助的な用途に使われるものです。
つまり「スクリプト=小さなコード」。
動けば便利ですが、仕組みを理解しなければ応用が効きません。
だから私は、書いてもらったスクリプトをそのまま使うのではなく、
その動作を自分の言葉でまとめて説明するようにしています。
完全に理解していなくても文章化することで、
「ここは説明できない」「ここは曖昧だ」と課題が浮かび上がります。
つまり理解とは、ただ答えを持っていることではなく、
説明できるかどうかで決まるのです。
アウトプットが理解を加速させる理由
学びは「インプット→理解→アウトプット」という一方向では進みません。
実際には「アウトプット→気づき→再インプット→理解」という循環です。
説明しようとすることで、自分の中に問いが生まれます。
「この変数は何の役割?」「この処理はなぜ必要?」。
疑問が出るたびに調べ直し、理解が補強される。
このループが回り始めると、学びの速度は一気に上がります。
不完全なアウトプットでも十分意味があります。
むしろ未完成だからこそ、自分の理解の浅さがあぶり出され、次の成長につながる。
私にとって、スクリプトを説明する文章化はまさに理解促進の装置です。
「まだ説明できない部分」を見つけることができるからです。
ブログやポッドキャスト、社内での小さな共有も同じ役割を果たします。
発信することが、理解を深める最大のきっかけになるのです。
不完全な発信が価値を生む
学びにおいて「完全に理解してから発信する」という姿勢は、むしろ非効率です。
人に説明しながら理解を深める方が、はるかに速く力がつきます。
「まだ完全ではないからこそ、発信する」。
その方が健全で、学びとしても持続します。
私もブログやポッドキャストを通じて、学んだことをそのまま発信するようにしています。
未完成な状態でも出してみると、読者やリスナーからのフィードバックが返ってくる。
それによってさらに理解が促されるのです。
資格勉強も同じです。
問題を解くだけでなく、解答を「なぜそうなるのか」と説明できるようにする。
学んだことをSNSやノートにまとめてみる。
それだけで理解の深まり方は大きく変わります。
AIが当たり前に答えを提示してくれる時代だからこそ、
「なぜそうなるのか」を自分の言葉で語れる力が価値を持ちます。
不完全でも発信することが、その力を鍛える最良の方法なのです。
理解を促進する姿勢を選ぼう
バイブコーディングの本質は、プログラミングに限らない普遍的な姿勢です。
「AIに任せる」のではなく「AIを運転する」。
その過程で、自分が何を理解し、どこが理解できていないかが明らかになります。
これはすべての学びに共通します。
資格試験でも、新しいスキルでも、理解の質を決めるのは「説明できるかどうか」。
そしてそれを実現する最短ルートがアウトプットです。
ブログ、ポッドキャスト、Udemy教材――。
どのコンテンツも「答えを提供する」だけでなく、
「理解を促進する問いかけ」や「不完全でも発信できる環境」を提供すると価値が生まれます。
理解を促進する姿勢を選ぶこと。
それが、これからの学びと成長を支える土台になるのです。
この記事を書いた人|ミライジュウ
メディア関連企業の業務部長。ラジオ演出30年の経験を経て、
「50代からでも“1円を生む力”は育てられる」と信じて発信中。
毎朝4時起きでランニング・筋トレ継続中。
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