「人と違うことをすると、浮いてしまうのではないか…」
そんな不安が、日本人には根強くあります。
学校では「みんなと同じようにしましょう」と教えられ、
空気を読むことが“美徳”とされてきた私たちは、
“個性を出す”ことに無意識のブレーキをかけてしまいがちです。
でも、今の時代に価値があるのは「人と同じこと」ではなく、
人と違うことを通じて、誰かの役に立つことです。
つまり、自分の“違い”を武器にして、
周囲との違いを恐れず、むしろ活かすことが大切になってきています。
なぜ日本人は“違い”を出すのが苦手なのか?
日本人は「周りに合わせる」ことに安心感を持つ傾向があります。
これは、島国であることや、歴史的に“和をもって貴しとなす”文化が強かったことも影響しています。
また、学校教育においては「正解を出す」ことが重視され、
枠からはみ出した意見や行動は「浮いている」と受け止められがちでした。
結果として、多くの人が「自分の意見を言わない方が安全」「変わったことはしない方がいい」
と、無難さを選ぶクセが身についているのです。
でも、本当に価値があるのは、「他の人と違う」からこそ提供できる視点や行動。
同じことをしているだけでは、差別化も、選ばれることもありません。
まず“小さな場面”で個性を出してみる
「個性を出す」と聞くと、大きなチャレンジや、目立つ行動を想像してしまうかもしれません。
でも、最初の一歩はもっと小さくていいんです。
たとえば、職場の会議の場面。
ファシリテーターが「これについて意見のある方いますか?」と問いかけたとき、
まず最初に手を挙げてみる――これだけでも立派な“個性の発揮”です。
内容が完璧である必要はありません。
むしろ、その場を切り開いてくれる人の存在は、場を仕切る側にとってもありがたいものです。
発言が早い人は、「話しやすい人」「場を動かせる人」という印象を自然と与えます。
これは単なる目立ちたがりではありません。
“先に動くことで、場に貢献する”というギバーの精神にもつながっていきます。
ギバーの精神とは?
「ギバー(Giver)」という言葉をご存じでしょうか?
これは、アダム・グラント著『GIVE & TAKE』でも紹介されている概念で、
“惜しみなく与える人”を指します。
◆ ギバーは「見返りを求めない貢献者」
ギバーは、相手の成功や成長のために、
自分の時間や知識、行動を惜しみなく提供します。
「まず誰かのために動こう」とする姿勢が、
長い目で見て、信頼や評価を集めるのです。
◆ 会議で先に発言するのも“与える行動”
会議で最初に発言するのも、
「場が動き出すきっかけを与える」という貢献です。
他の人が話しやすくなる空気をつくり、
議論が活性化すること自体が、場への価値提供になります。
◆ ギバーは選ばれる存在になる
ギバーは、最初は目立たなくても、
やがて周囲から信頼され、機会が集まる存在になります。
これは、目立つことよりも強力な“個性の発揮”のひとつです。
差別化の本質は「他人と違う強みを持つこと」
ビジネスの世界でも、個性を活かすことは重要なテーマです。
その代表的な考え方のひとつが、「ランチェスター戦略」。
これはもともと軍事理論として知られていますが、
今ではマーケティングや経営戦略にも応用されています。
◆ 同じ土俵では勝てない
ランチェスター戦略の基本は、
「同じ武器・同じ土俵で戦えば、数が多い方が勝つ」という原則です。
だからこそ、強者と同じフィールドで戦うのではなく、
自分だけの強みを活かす「差別化」が必要になります。
◆ 「弱者の戦法」は個性を活かす戦略
福永雅文さんの著書『ランチェスター戦略 「弱者逆転」の法則』では、
弱者のための5大戦法が紹介されています:
- 局地戦(狭いエリアに特化)
- 一騎討ち戦(特定の相手だけに集中)
- 接近戦(密な関係づくり)
- 一点集中主義(強みを1つに絞る)
- 陽動戦(相手がやらないことをあえてやる)
これらはすべて、他と違う行動をとる=差別化の実践です。
◆ 非常識こそが武器になることもある
差別化とは“非常識”である、という言葉も印象的です。
「それ、やるの?」と思われることこそ、
ライバルが真似できない、あなただけの武器になります。
まとめ
“人と違うこと”に、引け目を感じる必要はありません。
むしろ、これからの時代に選ばれるのは、
「自分の違いを知り、それを活かして貢献できる人」です。
まずは日常の中の小さな場面から、
あなたの“違い”を育てていきましょう。
個性を活かすことは、わがままではなく価値提供。
今日から、あなたの「差別化の一歩」が始まります。
この記事を書いた人|ミライジュウ
メディア関連企業の業務部長。ラジオ演出30年の経験を経て、
「50代からでも“1円を生む力”は育てられる」と信じて発信中。
毎朝4時起きでランニング・筋トレ継続中。
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